DV公開講座で正井さん 「災害と女たち」テーマに体験語る【舞鶴】
投稿日時:2005年12月06日(火)
市教委とボイスofDV主催の公開講座「DVってな~に?」が12月3日、舞鶴市余部下の市女性センターであった。今回は「災害と女たち」をテーマに、ウィメンズネット・こうべ代表の正井礼子さんが、災害報道では伝えられなかった阪神・淡路大震災での女性や子供への暴力を具体的に話し、救援や防災計画を構築する意志決定の場に女性の登用が必要と訴えた。ウィメンズネット・こうべは男女共同参画社会の実現を目指し、女性問題の講演会や講師派遣、DV被害者の支援活動に取り組む。1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災の直後に、女性のための電話相談を開設したり、女性の声を集めた本を編集した。震災後、マスコミは市民が助け合う美談や希望を与える記事、ニュース性ある話題に偏り、避難所で女性が男性から暴力を受けたり、女性のニーズが考慮されなかった点が報道されなかったとした。震災での死者6433人の内、女性が1000人多いこと、避難所に更衣室や男女別のトイレがないなど、プライバシーのない生活がどれだけ女性のストレスになっているかを明らかにした。「震災後に女性が受けた性暴力を震災の翌年に報告したが、逆にマスコミから叩かれた」と、被害をなかったことにしたい男性社会を痛感。その背景には、怒りでしか感情を表現できない男性、性を使った暴力で女性を支配して優位に立とうとする男性性を指摘した。神戸の地震での反省は新潟の中越地震の避難所でも活かされず、現在も多くの自治体の防災部署で女性はほとんどいない。正井さんは「平時から福祉や女性施策にどれだけ女性の視点が活かせて、充実しているかが大切」と話した。
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