4年間かけ解読、田辺藩「三政規範」翻刻書 古文書勉強会が結成15周年記念に出版 【舞鶴】
投稿日時:2006年04月28日(金)
舞鶴市民らでつくる古文書勉強会が、4年間かけて解読した「三政(さんせい)規範」の翻刻(ほんこく)作業をこのほど終え、同会の結成15周年記念として出版した。田辺藩の町・郡・寺社の3奉行を兼務した重役が、藩の重要な政務について、留意すべき点を細かく記して、後任に申し送った文書。火事や洪水の備えを記すなど、現在の防災マニュアルに通じ、田辺藩の政情を知る資料となっている。有料で配布する。各公民館の古文書講座を修了した人たちが、定期的に勉強しようと1990年に同会を結成。会員9人が月1回、西公民館に集まり様々な文書を読み、そこから派生する当時の生活や道具などの話題を話し合う。過去に「郡役所年中行事 其外諸記録」の翻刻書を出版した。三政規範は江戸末期ごろ、3奉行を1人で兼務した藩重役が、重要な16項目に関し留意点を書き、後任への申し送りや覚書として使った。表紙には「他見制禁」と記す。市所蔵の糸井文庫に収められている。町内ごとに備える消火に必要な道具▽洪水の際に警報を出して歩く役割▽町内ごとの清掃の分担▽来藩する遊行上人への規制▽天皇への応答の仕方などが示される。01年から解読作業に取り組み、写本を定本として活字印刷で刊行する翻刻作業に約1年半かけた。B5判、152ページ。70部作成した。世話人の小西とも子さんは「長い時間をかけて練り、合理的に考えられた内容だと感じた。今後は町方文書も読み比べることで、田辺の全体が活き活きと浮かび上がるでしょう」と話す。会員の山内恙児さんは「ここではみんなが先生で生徒。共に教えあい学ぶ楽しさが会の魅力です」と入会を呼びかけている。1冊1700円で配布中。
【問い合わせ】電話62・2777、小西さん。
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