3つの節目魅力伝える 尺八の中村雅園さん 4月27日、邦楽演奏会 「心休まる音色を存分に」【舞鶴】
投稿日時:2014年04月22日(火)
喜寿(77歳)を迎えた尺八演奏家の中村雅園(がえん)さん=浜=が会主を務める上田流尺八道竹龍会が創立60周年を、中村さんが道場を開いてから50周年を迎える。3つの節目を記念した邦楽演奏会(舞鶴市民新聞社など後援)が、27日午後0時半から浜の総合文化会館で開かれる。プロや各地の演奏家も駆けつけ、演出を凝らして尺八の魅力を伝える。
中学、高校とバスケットボールをし、国体の府代表選手にも選ばれた。海上自衛隊技官として舞鶴で勤務していた22歳のころ、通勤する東舞鶴駅までの道を歩く中、聴いた尺八の音色に心が落ち着いた。その後、自衛艦から尺八の音が聴こえ、吹いていた自衛官の林秀園さんに教わることにした。
林さんに「何歳まで尺八はできますか」と問うと「死ぬまでできる」と答えが返ってきた。その意味を理解できなかったが、宇治の平等院で国宝「雲中供養菩薩像」の52体の中に、縦笛を吹く菩薩があるのを見て、謎が氷解して一層熱心に稽古に励んだ。
転勤した林さんの弟子を預かる形で、64年に道場を開いた。また、林さんの兄で同じく演奏家の秀憧(しゅうどう)さんの亡くなった後、竹龍会の会主を引き受けた。
退職後、心肺停止となって4日間意識不明となったこともあるが、市民病院に指導に来ていた米国人医師に尺八を教えた縁で助けられたこともある。命を取りとめたことで使命感をもって教え、市内の中学校で若い人に体験してもらおうと授業を担当した。心臓にペースメーカーを入れるいまも指導に励む。
演奏会は5年ごとに開催している。4月27日は神戸や奈良などの演奏家、竹龍会メンバーら総勢50人による「勢州伝 手向(たむけ)」、戦後日本のラジオからよく流れてきた福田蘭童の名曲をはじめ、舞台演出も工夫する。
中村さんは「尺八によってよい人に巡り会うことができた。心が休まる音色の魅力を存分に聴いてもらえる演奏会にし、一人でも新たに手にしてもらえれば」と話している。入場無料。
【問い合わせ】電話62・1066、中村さん
写真=尺八の音色を響かせる中村さん
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