190体の木札守を奉製~大川神社 髙田宮司
投稿日時:2020年05月15日(金)
大川神社の髙田和史宮司が地域の安寧と五穀豊穣、コロナの収束を祈り、190体の「木札守(きふだまもり)」を奉製した。木札守は、新型コロナの影響とで中止となった「大川祭」に奉仕予定だった人たちに頒布される。
同神社の氏子区域は44の地域からなり、「大川祭」は例年、各地域からそれぞれ2人ほどの奉仕者と、区域内の小学生約50人からなる「わらべ奉仕者」を選出し、それらに併せて各区長も参列し、総勢およそ200人で神輿渡御を行っている。長年に渡って続けられてきた伝統行事は、10数年前すでに維持が困難になってきたという。理由は同地区で進む深刻な少子高齢化。「このままでは、祭の存続に関わる」との危機感から、髙田宮司はそれまで祭にへの関りが薄かった人たちに関心を持ってもらおうと、木札守を考案した。「お祭りを奉仕することによって『木札守』を受けられると思って頂き、お祭りに対する想いが芽生え、氏子の絆が深まれば」と髙田宮司はねらいについて話した。「木札守」は、穴をあけた木札に、片面には「大川神社」の焼き印を押し、もう片面には「令和二年大川祭」と墨で書き、首に掛けられる程の紐を穴に通したもの。今年の木札には、昨年同様、御旅所・野々宮神社の旧境内地にあった御神木を用いたという。今年も大川祭に向けて、3月中頃に各区長へ奉仕者選出の依頼をし、それぞれは今年も行えると信じ準備を進めていた。しかし、感染症の状況が収まらず、4月になった時点で神輿渡御は中止を決定。
髙田宮司は「お祭りを行うことで地域の絆が深まります。今回も氏子の皆様は奉仕して頂く気持ちでおられましたし、『わらべ奉仕者』の6年生は今年が最後の奉仕でした。何とかその気持ちが無駄にならないようにと、そうした想いも『木札守』に込めて奉製し、奉仕予定だった方々に頒布することに致しました」と話し、「私達の地域も含め、日本全国天災による大変な被害を受けることがありますが、その都度、苦しみに耐え、皆様の気持ちを一つにして復興してきました。先の見えない不安な日々が続いていますが、今回も、皆様と気持ちを一つにしてこの困難を乗り越えられることを願い、一日も早い事態の収束と世界の平和をお祈りしております」と呼びかけた。
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