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100の想い 天に届け~大聖寺で亡き人への手紙お焚き上げ

100の想い 天に届け~大聖寺で亡き人への手紙お焚き上げ

投稿日時:2020年09月29日(火)

手紙の焚き上げを見守る投函者たち

 北吸の大聖寺(松尾眞弘住職)で22日、「緑のポスト」に届けられた手紙を焚き上げ、供養する法要が営まれた。亡き人へ宛てた手紙を受け付けるこのポストは昨年6月に設置され、3回目に彼岸を迎えた。

 「緑のポスト」は、昭和50年代末~60年代初めに、檀家だった北吸郵便局の局長が寄贈。赤色では本物と間違えると郵便局から指摘があり、緑色に塗りかえた後は、さい銭受けのような役割をしていたという。10数年前のある日、ポストに封筒が入っているのを見つけ、確認すると亡くなった子供に宛てた手紙だった。水子地蔵の寺としても知られる同寺故か、その後も何度か封筒が入っていたため、その都度護摩供養していた。そうした出来事を背景に、「大切な人を亡くした方々の心に寄り添うために、何かできることはないか」と考え、「緑のポスト」の設置に至った。ポストは再度、深い緑色に塗り直し、施錠や防水機能を確認の上、案内板を取り付けた。設置をした昨年6月以来、多くの反響が寄せられた。中には関東などの遠方から手紙が送られることもあり、届けられる手紙は日ごと増え続けた。そんな中見舞われたコロナ禍。人出が少なくなり、投函も減少するだろうと考えていた松尾住職だったが、予想に反しておよそ100通もの手紙が届けられていた。

【累計350通 際立つポストの存在感】

 緊急宣言で外出自粛が続いた春ごろには、届いた「ゆうパック」の中に10数通がはいっていたこともあった。死産や流産の悲しみを共有し、希望を見出そうとする「天使ママ」のwebサイトで紹介されたことなども影響し、亡くなった我が子へ宛てた手紙を持ってくる人も多く、松尾住職は「家内の応対に、涙ながらにお話しされて帰られる方も少なくありません」と振り返った。この日は檀家や投函者たちが見守る中、しめやかに法要が営まれた。当日焚き上げられた手紙を入れると、これまでポストに届いた手紙の累計はおよそ350通にもなる。松尾住職は「これまで何度も涙しながら投函される方々をお見掛けし、当日はお焚き上げを見守る投函者の姿もあって、皆様のお気持ちが亡き人に届くよう、心込めてお焚き上げさせて頂きました」と話していた。

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