高井さんの作品 光放つ 22年かけ節目の10回入選 今年の日展で 復興への希望土に込め【舞鶴】
投稿日時:2013年12月13日(金)
大浦半島成生在住の陶芸家、高井晴美さん(49)が、第45回日展・工芸美術部門で、2009年以来の入選を果たした。1991年に初入選をしてから、22年をかけて区切りの10回目を迎えた。ここ2年以上は陸前高田市の被災者支援に取り組みながら、創作に向き合っている。今回の作品にも復興への希望を土に込めた。
91年から作家活動を始め、国内で最大規模の公募美術展の日展に出品し、3年連続で入選した。94年に舞鶴に帰郷し窯を築き、地方からでも全国レベルの作品を作れることを示そうと、日展に挑戦を続ける。パリの公募展でも入賞、ニューヨークで作品展もした。
工房前から見える海を一貫してテーマに据え、岩にくだける波しぶき、波の音などを表現した大作のオブジェで入選を重ねた。10回を目標にしてきたが、03年に7回目の入選後は数年おきになり、途中であきらめかけたが周囲の友人らの応援を受けた。
そんな中、巨大津波の被害を受けた陸前高田の支援を始めた。海を題材にしているだけに一時は作品づくりができなかったが、陶芸を通して自分にできることをしようと心に決めた。
チャリティー陶展で収益金を学校の楽器購入費にあてたり、両親を亡くした震災遺児に贈った。陶芸教室の生徒と市民の協力を受け、マグカップやマフラーづくりもし、陸前高田へ支援ツアーを組むなどして、つながりのできた被災者と交流を続けている。
何度も被災地を歩き、仮設住宅に暮らす人たちから先が見えないと聞いたことから、創作に復興の願いを込めるようになった。今回応募した作品名は「滄望(そうぼう)」(高さ64センチ、幅58センチ、奥行き30センチ)。真ん中の空間に3本の線をつなぎ、その間からかすかでも希望の光が見えるようにと願った。
高井さんは「支援の体験が自分の内面に影響し、作品づくりにも反映するようになりました。長い時間がかかったけれど、支えてもらった人たちへの恩返しができたかなと思います。陶芸をいろんなことに活かすことができ、ありがたい仕事です」と話していた。10回の入選で会友になったが、今後も出品と被災地支援を続けていく。
日展京都展は12月14日~来年1月19日、京都市の市美術館で開かれる。
写真=希望の光が見えるようにと創作した10回目の入選作品
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