韓国の東学農民革命伝えたい 橋本さんと余江さん 冊子を翻訳発行 6月23日 研究の第一人者、朴教授が講演【舞鶴】
投稿日時:2012年06月15日(金)
日清戦争(1894~95年)の最中、朝鮮(韓国)民衆が蜂起した東学党の乱を知ってほしいと、舞鶴市民2人が冊子「マンガで見る『東學農民革命』」を作成した。韓国の国立東学農民革命記念館が製作した冊子を、日本語に翻訳し発行にこぎつけた。東学農民革命研究の第一人者、韓国・圓光大学校教学大学の朴孟洙(パク・メンス)教授を招き、6月23日午後2時から南田辺の西総合会館で講演会を開催する。 朝鮮政府と支配層の圧制に苦しんでいた農民たちが、1894年の第1次蜂起で各地に自治政府を樹立するなど勝利を治めた。そして、東学の戦いを口実に朝鮮半島に派兵しようとする日本軍の動きを制するため、農民軍は朝鮮政府と和議を結んだが、半島の支配を巡って日清戦争が起こり、再び農民軍が集結し日本軍と戦うが弾圧された。 日本の歴史研究者や韓国の市民グループが企画した東学農民軍の戦跡を訪ねるツアーに、2008年参加した舞鶴の戦争展実行委員会事務局長の橋本安彦さんが、記念館が作る資料の冊子を持ち帰り、日本でほとんど知られていない東学党の戦い(甲午農民戦争)を紹介しようと、浮島丸殉難者を追悼する会会長で、ハングル語を学ぶ余江勝彦さんに翻訳を依頼した。 翻訳作業を進める中、翌年に余江さんも韓国を歩き、20~30万人が日本軍に弾圧された過酷さを肌で感じた上で、朴さんらのアドバイスを受け約3年がかりで完成させた。同資料館から日本語版発行の許可を得た冊子(B5版、14ページ)は、東学の思想や戦いの背景などをマンガを使ってわかりやすく伝えている。 橋本さんは「日本の教科書では東学農民戦争はほんの少ししか書かれていない。日清戦争の中、朝鮮半島で何が起こったのか知ってほしい」、余江さんは「日本によるアジアの植民地支配の最初になったのが東学党の弾圧だった。東学の思想はその後の韓国の民主化運動に受け継がれている」と話す。1000部作成した。1部500円で配布している。
【問い合わせ】電話75・4809、橋本さん
講演会は同追悼する会などでつくる実行委員会の主催。東学農民革命とその研究の最前線について、現在、京都大学大学院で客員教授も務める朴さんが話す。資料代500円(冊子を配布する)。
【問い合わせ】電話76・8304、地労協内
写真=マンガでわかりやすく紹介している日本語版冊子
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