電話機で防ぐ特殊詐欺
投稿日時:2020年06月02日(火)
舞鶴署は5月26日、防犯機能付き電話機を購入する際に、費用の一部を補助する事業を開始した。当日は補助対象店舗などが出席し、協力依頼書の交付式が行われた。
昨年末までに京都府内で認知された特殊詐欺の被害件数は206件(19.8%減)、被害金額が2億9854万円(48.2%減)と、いずれも前年比で減少した。これは、警察当局と関係機関を中心とした啓発活動が一定の効果を上げている結果だと言えるが、詐欺の手口は年々巧妙化しており、全く予断を許さない状況が続いている。今年に入ってからは、1月から4月までの4ヶ月間で、74件の被害が確認されており、前年を上回るペースに府警も危機感を強めている。そんな中、被害のあった74件のうち実に88.2%となる66件が、固定電話にかけられたものであることに着目し、その対策として今回の事業が実現することになった。舞鶴署管内では前年の被害件数は4件だったが、今年に入ってすでに2件の被害が発生。最新の被害では、市内在住の無職女性(90)が銀行協会を名乗る男らにキャッシュカード2枚をだまし取られた。この事件でも、被害者は固定電話に出たことから詐欺被害を受けており、巧妙化する手口に対抗するために、「そもそも電話に出ない」という対策に注目が集まっている。
【能付き電話の大きな効果】
防犯機能付き電話には、様々なものがある。電話に出る前に「振り込め詐欺対策モードになっています」「通話を録音します」とアナウンスが流れたり、着信ランプの色で知人からの電話かそうでないかを知らせたりと、簡単な操作で大きな効果を生んでいる。通話録音装置貸出事業の実証実験では、装置を設置後に被害を受けなかった人の割合が100%となった。今回の事業では、こうした機能の付いた電話機を購入する際、1台につき1000円(1万2000円以上の機器を購入した場合は2000円)を舞鶴防犯協会が補助するというもの。補助対象店舗は府電機商業組合舞鶴支部の加盟店17店舗と、市内の大型家電量販店3店舗。事業期間は5月26日から12月末日までで、予算の都合により50~100台の補助を想定しているという。同組合舞鶴支部の安井博支部長(63)は、「私たち地域の電器店は地域密着で営業していることから、顧客の状況を熟知している。こうした詐欺被害を未然に防ぐべく、社会的責任を胸に刻んでしっかりと案内していきたい」と決意を口にした。舞鶴署の吉岡幸生署長は、「春先からのコロナ禍で社会不安が増大している。こうした世情に乗じた詐欺手口が横行すれば、不安定な状況に拍車がかかる。また、給付金を狙う詐欺の発生も懸念されることから、今回の事業を通じて被害発生の未然防止に努めたい」と話した。
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