障害乗り越え ほのぼのイラスト 12月17日から身障センターで作品展 カレンダーも製作 Tomomi・Hさん 口マウスでパソコン操作 交通事故でベッドで生活続け【舞鶴】
投稿日時:2015年12月15日(火)
交通事故で頸椎を損傷し、自宅のベッドで生活を送る舞鶴市在住のTomomi・Hさんが、残された機能を活かし、口でマウスを操作してパソコンでイラストを描いている。事故前にはパソコンを使ったこともなかったが、周囲の応援と自らの努力で上達し、1年がかりで描いたイラストでカレンダーを製作した。12月17日から余部下の市身体障害者福祉センター・サロンで個展を開く。(青木信明)20歳前半の時に交通事故によって手足に障害が残り、寝たきりの生活を送る。リハビリを続け、首から上はかなり自由に動かせるようになった。ベッドそばに環境制御装置(ECS)を置き、呼気で50以上のチャンネルを選び、テレビの録画、エアコンの温度調節、電話操作なども自分でしている。以前からパソコンに興味はあったが操作できる機器がなかった。そんな時、市障害者生活支援センター職員から口で操作できる福祉機器の紹介を受け、2013年にノートパソコンに挑戦した。スティック状のマウスを唇やあごで動かし、カーソルを移動させて使う仕組みで、最初はマウスのポイントが思った所に動かせず、顎が痛くなり苦労したが、家電店の店主や職員から基本操作などを教わるとめきめきとうまくなった。ネットで世界各地の風景を見たり、ゲームやメール、いまではフェイスブックも開設して、自宅にいながら外の世界の人たちとのつながりを持っている。クリスマスカードなどを作る際、ネット上にある無料イラストをダウンロードして利用してきたが、知人から教わった絵を描くソフトを使ってイラストの創作を始めた。曲線を引くのが難しいが、点で描くよう工夫した。絵を見たヘルパーや職員たちがそのうまさに驚き、カレンダーの絵を描いてはと勧められた。1月はこたつで眠るヒツジとネコ、5月は仲良く泳ぐ鯉のぼりの夫婦、8月はデートで花火大会を見るイヌのカップルなどほのぼのとした絵を描き、その下に「ねこちゃんは、寒さのあまりコタツから出る事なく、みかんを狙ってる感じ」などの言葉を記している。職員と協力してカレンダー300部を作ったがすぐさま完売し、200部増刷した。作品展にはカレンダーに使ったイラストなど約30点を展示する。Tomomiさんは「パソコンを使えるようになり、まるで水を得た魚のように何もかも新鮮で世界が広がりました。私を支えてくださった皆さんに感謝でいっぱいです」という。同センター相談員の原田誠さんは「本人の努力と工夫でここまでできるようになり、いまでは夢中になっておそくまでイラストを描いておられます。ぜひ多くの人に見てもらえれば」と話している。来年1月13日まで。12月29日~1月3日は休み。カレンダーは1部800円で同センターで販売。収益金はTomomiさんの福祉機器の修理費用などに充てる。【問い合わせ】電話63・3008、同センター。
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