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阿部さん、4年間を無遅刻無欠席で卒業 東高浮島分校で8年ぶりに皆勤賞【舞鶴】

阿部さん、4年間を無遅刻無欠席で卒業 東高浮島分校で8年ぶりに皆勤賞【舞鶴】

投稿日時:2007年03月06日(火)

 溝尻の夜間定時制の東舞鶴高校浮島分校で、阿部周(しゅう)さん(19)=浜=が4年間無遅刻無欠席の皆勤を果たし、卒業した。昼間は働きながら夜間の勉強と両立させた4年間の生活を送った。3月1日に行われた卒業式で皆勤賞を贈られたが、1998年度に表彰者が出て以来8年ぶりの快挙。苦楽をともにした仲間や教職員たちからも祝福を受けた。春からは大学に進学する。  浮島分校では午後6時45分から授業が始まり、同9時に終わる。夕暮れ時の学校には、職場から作業着のまま駆けつける生徒たちの姿を見かけることができる。ほとんどの生徒が昼間何らかの仕事をしているが、学業との両立は厳しい現実もある。今年度の卒業生も入学時には33人いたが、1日の卒業式の席についたのは17人だった。  阿部さんは食堂やスーパーで働きながら学び、無遅刻無欠席を意識しだしたのは1年の終わりごろだった。その後何度も疲れて挫折しそうになったが、最後までやり通そうと強い意志を持ちつづけた。体調管理に気を配ったが、風邪で発熱した日も出席した。4年間の楽しかった思い出に「仲間たちといろんな話ができたこと」を挙げ、それも学校へ行く励みになった。  「中学校は半分ぐらいしか通えず親に心配をかけた。その分、高校ではがんばろうと思った。いまは素直にうれしい。とても自信になった」と笑顔を見せていた。成績も優秀だったことから、財団法人全国高等学校定時制通信制教育振興会の優秀生徒表彰も受けた。卒業後は京都市内の四年制大学に進学し、日本史を学ぶことにしている。  また、同じく卒業生の井上拓磨さんが、同振興会の優秀生徒表彰のクラブ活動優良で受賞した。全国高等学校定時制通信制陸上競技大会に、井上さんは3年連続で出場。男子走り幅跳びや100メートル、400メートルリレーに出て、4年生最後の大会ではリレーで6位入賞を果たした。  卒業式では田口生夫校長が17人に卒業証書を手渡した後、「がんばった自分を誇りに思うとともに周囲への感謝を忘れないでほしい。これからも苦難に負けることなく人生を切り開いていってください」と言葉を送った。  最後に卒業生を代表して森野智恵さんがステージに上がり、「これまで経験のなかった昼働き夜学ぶ生活は、33人の仲間が次々と減り厳しさを痛感した。きょうを迎えることができたのも仲間、先生、家族の支えがあったからこそと感謝しています」と、涙で言葉を詰まらせながらいまの気持ちを伝えた。

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