金色に輝く厨子 町の宝 神奈川大学院の近石さん 地蔵盆を調査 珍しい行事 舞鶴のPRに【舞鶴】
投稿日時:2012年08月31日(金)
旧城下町の西地区の各町内会で8月23日に行われた地蔵盆を調査するため、神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科の研究員、近石(ちかいし)哲さんが訪れ、金色に輝く厨子などを見て回り、地元の人から聞き取りをした。豪華な厨子を飾る舞鶴の地蔵盆は、他市ではほとんど見られない珍しい行事と指摘する。 近石さんは2010年から京都、若狭・小浜、舞鶴、宮津の地蔵盆の行事内容を比較する研究のため、飾り付けや伝承の仕方などを調査している。地蔵盆に関する民俗行事は文書がほとんど残っておらず、口承で伝えられているため研究は進んでいない。昨年、舞鶴西地区で地蔵盆に関して、いつごろ始めたのか▽厨子の管理・維持などを問うアンケート調査に取り組んだ。 この日は田辺城ガイドの会の伊賀原政子さん=京口=の案内で、竹屋町や平野屋の地蔵盆を巡り、地蔵菩薩を安置した金箔づくりの厨子を調査。竹屋町の芦田畳店に設置された厨子は、安政3(1856)年に作られたとされ、蓮の花の形の台に載る珍しい形態になっている。地元の女性が「昔は怖いおっちゃんがいてお地蔵を守っていたり、この日は男の子は買い物帳を持って自由に買い物が出来た」と説明した。 近石さんは「地蔵盆で金箔の厨子がメーンとなった飾りは、京都や小浜ではほとんど見られず、珍しいものです。マップなどを作って舞鶴の地蔵盆をもっとPRしては」と話していた。近く論文にまとめ発表する予定。
写真=竹屋町の地蔵盆の厨子を調べる近石さん(右)
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