郷土愛育む植樹祭
投稿日時:2020年01月10日(金)
多門院中央部の小高い丘陵地、梯木[ハシキ]林の公園化を目指す「植樹祭」がこのほど行なわれ、地区住民と児童らの手で7本の木が新たに植えられた。この行事は地区の老人会、多門院長生会と子ども会による合同行事で、8年前から毎年続けられている。梯木林は、丹後風土記にも登場する「倉部山」で地域住民にとって神聖な場所であったという。ここには、かつて非常に高い床をもつ祠神社として建てられた天蔵社(現在の天蔵神社)があり、高さ8尺(約24m)の長い梯子を使って上がらなければならなかったことを地名に留めている。同所は、風水害の多い地区災害時の早期避難場所に指定されている。災害に備え避難場所に慣れると同時に、地域の象徴的な場所を自分たちの手で守り育てることで、将来世代の郷土愛につながることを願って、地区住民は地道に活動している。この日は、オオヤマ桜2本、ソメイヨシノ2本、いろは紅葉3本が地域の児童らによって植樹された。集まった児童は11人。重機により木が据えられると、一斉にスコップをふるい、元気に土をかける作業を行なった。多門院長生会の新谷さんは、児童たちの様子を見守りながら「鹿の食害などもあり、樹の世話は手がかかるものだが、この活動を通して、子どもたちもこの地域を大切に思うようになってくれれば」と話す。植えた樹木が根をはるように、これからも地域に活力が続くことを期待したい。
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