被災地での”若者の力”語る
投稿日時:2019年03月05日(火)
3月11日で東日本大震災から8年を迎えるのを前に、日星高校(水嶋純作校長)でこのほど、「3.11の集い」が開かれた。東日本大震災で被災した石巻西高の元校長で東北大特任教授の齋藤幸男さん(64)と、当時松島市立大曲小学校の4年生だった石巻市立桜坂高校3年生の武山ひかるさん(18)が登壇し、教師として生徒と向き合うことへの葛藤や、震災直後の避難所での複雑な思いなどについて述べ、「私たちにできることは何か」を約400人の生徒らに語りかけた。石巻西高校は震災直後から避難所となり、体育館は一時遺体安置所にも指定された。遺体安置所と避難所が同居する学校での記憶を振り返り「災害下では生と死の境がなくなる」と話した。武山さんの自宅も全壊。3つの避難所を渡り歩いた。避難所では正確な情報や電気、物資がなく「不平不満が多かった。子どもを押しのけて大人が服や食料を取り合っていた」。当時、そんな大人を見て「大人気ないと思っていたが、今思うと極限状態なんだったと思う」と振り返り、齋藤さんは「避難所で追い詰められると大人が子どもになり、子どもが大人になる」と表現した。
また、震災後に教師として生徒の心のケアについて葛藤していた斎藤さんは生徒たちの前向きな行動を見て「生徒を守るべき教師が、生徒に守られ教えられていた。我々教師を支えていたのは生徒たちだった」と心境を述べ「避難所では君たちみたいな若い人たちの力が一番大切だった。それを覚えておいてほしいから講演をしている」と語りかけた。武山さんは「災害が起こった時、何ができるか考え込む人がいるが、何でもできる。掃除や配給、高齢者への手助けなど、なんでも簡単な事からしてほしい。今日の話を頭の片隅に入れてもらい、何かあった時に役だててくれたらうれしい」と話した。生徒会長の中道大騎さん(17)は「避難所での生活の辛さや、僕たち高校生が動くべき必要な存在だと知った。災害が起こった場合、自分が出来ることを考え、行動をすべきだと思った」と話した。
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