花で彩る街の顔西高生徒ら西駅東口の花壇再生に汗
投稿日時:2023年05月23日(火)
地元自治会も協働
ひまわりの絆プロジェクトも
西舞鶴駅東口で14日、西舞鶴高ボランティア部の生徒が花壇再生プロジェクトに取り組んだ。長かったコロナ禍が落ち着きを見せる中、急激に増えてきた人の往来。駅を利用する人に安らぎを届けようとする若者たちの姿を取材した。
花壇再生プロジェクトの始まりは、2021年7月にさかのぼる。ボランティア部で数々の取り組みに関わり、今は同校を巣立った小島萌衣里さんの呼びかけがきっかけだった。
同年の春に、長く花壇の手入れなどを担ってきた「舞鶴市花と緑の公社」が解散。市の直轄となったが管理が行き届かず、花壇は往時の姿を見る影もないほど荒廃していた。そんな光景に心を痛めていた小島さんは一念発起し、積極的に行動を開始。「花壇再生実行委員会」を立ち上げて、同年の秋にはビオラとパンジーをそれぞれ100本植えることにこぎつけた。
高校生の行動に端を発した花壇再生はその後、地元住民とも連携が図られるように。昨年5月には、地元の新生自治会とともに、府警からの提案を受けたヒマワリの種まきを行った。これは、府警が推進する「ひまわりの絆プロジェクト」の一環。同プロジェクトは、2011年に起こった事故で死亡した当時4歳の男の子が、幼稚園で育てていたヒマワリの種を自宅に持ち帰っていたことに端を発する。その後、両親から種を託された府警は、各地でプロジェクトに取り組み、事故防止を目指している。
このようにして西舞鶴駅東口の花壇は、多くの人たちの思いが詰まった花を咲かせる場所へと姿を変えた。
【新たな交流で心豊かに】
再生が図られてから2回目の春。コロナ禍もいよいよ終息しつつある中、同校ボランティア部の生徒25人が参加し、小雨の降る中で作業に精を出した。
今回は、綾部高東分校から仕入れた苗を使用。ユリウス、バーベナ、ニチニチソウ、ベゴニア、ペチュニア、ナデシコ、ブルーサルビア、アリッサム、マリーゴールドの計500株だ。同部の生徒は、ゴールデンウィーク中の5月3日には草抜きと土壌整備、6日には土入れを行い、この日を迎えた。
花壇実行委員の藤田葵さん(3年)は、「本来であれば出会えないような人たちと出会い、交流ができるとても良い機会です」と楽しげな様子で作業にいそしんでいた。
同部を担当する河合美咲教諭(25)は、「通常の部活動とは違った人と交流でき、他の学年の生徒と話すことができる良い機会で、互いに刺激になる」と話し、「花を通じて地域の人たちと交流できるのもまた良い経験です」と目を細めていた。
また、高校生と一緒に作業に取り組んだ新生自治会の代表とともに「舞鶴に花咲かせ隊」の隊長も務める大槻賢孝さん(56)は、「高校生に頑張っていただき、ありがたいです。帰省してくる人たちなどを、花いっぱいにして出迎えたいです」と笑顔を見せていた。
この日の作業により、駅周辺は色とりどりの花に彩られたが、携わった人たちの心にも美しい花を咲かせたに違いない。
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