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艦これイベントに全国から8000人

艦これイベントに全国から8000人

投稿日時:2017年07月28日(金)

 北吸の赤れんがパークで23日、若者を中心に全国的な人気を誇るブラウザゲーム「艦隊これくしょん」(通称=艦これ)の同人誌即売会イベントが開かれ、同22に開催された前夜祭も含めて全国各地から約8000人のファンが来場した。

 同ゲームは角川ゲームスが開発し平成25年4月にブラウザ版のサービスを開始。第二次世界大戦時の大日本帝国海軍の軍艦を中心とした艦艇を女性キャラクターに擬人化した「艦娘(かんむす)」をゲーム中で集め、強化しながら敵と戦闘し勝利を目指すという内容。史実を基に描かれており、ゲーム内では舞鶴鎮守府や舞鶴で起工された駆逐艦「島風」、「吹雪」などが登場する。ブラウザ版のゲームの多くは、課金による収益を目指す傾向にあるが、同ゲームは課金を比較的低く抑え、出版やグッズ販売などのマルチメディア展開によって収益化が図られている。そうした戦略が奏功し、現在では400万を超える登録者数があり、当初は早い段階でブームが沈静化するのではないかと見る向きもあったが、依然として高い人気を誇っている。当日は、多数の飲食ブースも出店し、多くの人出でにぎわった。主催団体である舞鶴鎮守府実行委員会の田口良雄委員長(61)は、「昨年の1.2倍の来場者がある。来場者のほとんどは市外から来られている。リピーターも非常に多い」とイベントの定着に目を細めた。来場者の多くは前日の前夜祭にも参加しており、市内のホテル・旅館は軒並み満室となった。また、市内飲食店にも多数の来客があり、同実行委員会の名誉顧問を務める塩見邦夫さんは、「イベントによる経済効果はかなりのものがある」と胸を張った。会場には、ゲームの登場人物に扮した「コスプレイヤー」も多数来場し、赤れんが倉庫をバックに、撮影会が行われていた。
 大阪市から参加したリーカさんは、総重量が6キログラムある艦艇を模した衣装に身を包み、笑顔で撮影に応じていた。衣装は戦艦の書籍なども参考に、約一年をかけ制作したという。艦艇ファンのリーカさんは、10日前にも「護衛艦かが」を見るために来鶴した。「舞鶴は本当に好きな場所」と微笑んだ。熊本県天草市から参加した松下尚人さん(28)は、2年前に友人と大阪を訪れ、あと一日どこかに足を伸ばそうと調べていたら、偶然舞鶴でのイベントが目に止まった。それがコスプレとの出会いだという。以来、何度も舞鶴を訪れるようになった。今回の来鶴も半年前から宿泊予約をし、楽しみにしていた。初参加の友人3人も、一緒に熊本から連れてきたという。「とにかく食べ物が美味しいし、まち全体で受け入れてもらっているという雰囲気がとてもうれしい」と松下さん。「来年も何とか都合をつけて再び訪れたい」と笑顔を見せた。地方都市が独自の発展を遂げるにはどうすれば良いか。空論が回り続けることが多いテーマである。しかし当地舞鶴では、確実にその車輪は地面を捉え、前に進んでいる。一種独特な会場の賑わいは、そんな大きな可能性を感じさせてくれるには十分な雰囲気を醸し出していた。

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