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舞鶴高専電子制御工学科5年生・伊福さんと赤松さん 卒業研究の飛行船快調に飛ぶ、改良重ね試作機第3号【舞鶴】

舞鶴高専電子制御工学科5年生・伊福さんと赤松さん 卒業研究の飛行船快調に飛ぶ、改良重ね試作機第3号【舞鶴】

投稿日時:2010年02月26日(金)

浮上する飛行船と製作した伊福さんと赤松さん、指導した仲川准教授(左から)

 舞鶴高専電子制御工学科の5年生、伊福悠伍さん(20)と赤松陽介さん(同)が、飛行船づくりに取り組み、このほど卒業研究として発表した。2004年の台風23号で水没した被災地に近づけなかった経験をヒントに製作、船体の先端に装着したカメラから空撮のライブ映像を送る。先輩たちが卒業研究で開発してきたテーマを引き継ぎ3年。改良を重ねた試作機3号が、これまでの苦労を晴らすように快調に飛んだ。飛行船の浮体部分(全長4メートル、直径1.2メートル)は特殊なフィルムで作製し、ヘリウムガス(3.5立法メートル)を入れた。下部のゴンドラにモーターと高度測定のセンサー、プロペラ4基、カメラなどを装備。総重量は約3キロ。パソコンに高度などを入力して無線LANで飛行船に送信する。手動の無線機で推進用プロペラを操作し、進行方向と速度を変える。同科の仲川力准教授(42)が、由良川流域で被害をもたらした台風23号で、地頭の実家の様子を見に行こうとしたが国道175号が水没し通行できなかった体験から、元々機械工学を学んだ経験を活かし、被災地の状況を空から知る機器の製作をと、2007年の5年生から卒業研究として指導している。1年目はパソコンを飛行船に積んだため重くなり浮いた程度。2年目は高度調整をしながら飛ばすことの難しさに直面した。3年目、先輩たちの苦労しつつも楽しんで物づくりをする姿に感化された2人が、昨年4月から課題の解決に挑んだ。電気・通信担当の伊福さんが通信手段と操作性を改良、機械担当の赤松さんが浮体部分の形状を考え、フィルムの貼り方を工夫しガスが漏れない機密性を確保。また、軽量化にも成功した。体育館で行った試験飛行では、一旦浮かんだ後に高度が下がると自動的に上昇用のプロペラが起動し、天井に届きそうになるほど浮かび、進行方向を自由自在に操作して、静かにゆっくりと飛び回った。伊福さんは「通信のやりとりがうまくいかなかったが、原因を究明して最後は徹夜作業だった。うまく飛んで最高」、赤松さんは「自分が手掛けた物が飛んでくれて感動しました。次は耐久性を重視した飛行船を作ってほしい」と次回作を後輩に託す。仲川さんは「引き継いだ課題をクリアして、3号機目はうまく制御できるようになった。野外で飛ばせる実用化に向け、バッテリーとモーターを大型化し推進力を高めることが今後の課題」と話している。

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