舞鶴高専生ら学んだ技術で地域貢献 民家の耐震診断、補強のアドバイス【舞鶴】
投稿日時:2007年10月19日(金)
白屋の舞鶴高専建設システム工学科専攻科の学生たちが、建築について学んできた技術で地域貢献しようと、10月15日、下福井の木造住宅の民家で、特別実験の授業の一環として耐震診断を実施した。民家の外壁を見て回ったり、壁や窓などの平面図を描き、筋かいの位置や床下の基礎を調べるなどして診断、補強のアドバイスをした。 阪神淡路大震災では、昭和56年の建築基準法が改正される以前の木造建造物が多く倒壊した。国の震度6強~7に耐えられる住宅の耐震化の推進に向け、舞鶴市は木造住宅耐震診断士の派遣事業を実施。しかし大地震の少ない舞鶴では、法改正前に建てられた住宅の耐震化はあまり進んでいない。 高専は建築や防災に関する技術教育で地域貢献をと、初めて民家に出向いて耐震診断に取り組んだ。昭和15、6年に建築され、その後増改築された木造2階建て民家で、同科の高谷富也教授と専攻科1年の3人が担当した。 学生たちは高谷教授のアドバイスを受けながら、診断項目に従って外壁の仕上げごとの老朽化や、畳をめくって建物基礎の状態、内壁の亀裂、機器を使って壁の中の筋かいの有無を調べたり、民家の所有者からこれまでの改築の状況や地盤の様子などを聞き取り、建物の劣化度を算出するデータを集めた。 上部構造の劣化度の評価は4段階に分かれており、1.5以上は倒壊しない▽0.7未満は倒壊する可能性が高いとなっている。学生らは後日、データに基づき評価と補強のアドバイスも行う。調査した1年の小西慎太郎さん(20)は「いつもの勉強と違って興味がわき、経験を積む機会にもなります。学んだことで地域の人の役に立ちたい」と話していた。同23日にも近くの民家で診断を実施する。
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