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舞鶴空襲、戦争体験後世に 住民グループ、手記や資料募る 来年7月29日刊行へ 6月11日に商工観光センターで、 立命館大国際平和ミュージアム名誉館長 安斎さん講演会【舞鶴】

舞鶴空襲、戦争体験後世に 住民グループ、手記や資料募る 来年7月29日刊行へ 6月11日に商工観光センターで、 立命館大国際平和ミュージアム名誉館長 安斎さん講演会【舞鶴】

投稿日時:2011年06月07日(火)

立命館大国際平和ミュージアム名誉館長後援会
写真=1945年7月30日の舞鶴空襲を米軍機が撮影した写真。海軍工廠付近で白煙が上がる(米国立公文書館蔵、福林徹氏提供)

米国の原爆投下の訓練だった舞鶴空襲をはじめ、軍事拠点だった舞鶴の戦争体験を後世に語り継ごうと、住民グループが市民からの体験記や資料などの募集をしている。すでに学徒動員の体験者から聞き取りも始めた。舞鶴の戦争体験を集大成した記録としてまとめ、来年7月29日に刊行する予定だ。6月11日には、立命館大学国際平和ミュージアムの安斎育郎名誉館長が、「語り継ぐ戦争・空襲メッセージ」をテーマに講演する。  舞鶴空襲は1945年7月29日、米軍が模擬原爆の約5トン爆弾を舞鶴海軍工廠に投下、翌30日も延べ240機の艦上機で攻撃し、工員や動員学徒ら184人が犠牲になった。当時海軍は「被害は軍事秘密」とし、空襲の事実が隠蔽され今だに正確な被害実態もわからないままだ。  が、米軍機が7月30日の空襲を空撮した写真が米国立公文書館で発見され、昨年公表された。また、犠牲者を追悼する慰霊式も造船関係者が始め、改めて空襲や戦争への関心が高まり、史実を掘り起こして後世に伝えようと、戦争展などに関わる市民が、「舞鶴空襲67周年語り継ぎたい戦争『市民から市民へのメッセージ』編さん委員会」(蒲田忠夫代表)を結成した。  舞鶴工廠などの軍事施設で工員や学徒動員、徴用工、挺身隊として働いた人や市民でその体験のほか、戦時下の家族や地域の日常生活などの体験記を募集する。舞鶴空襲の体験、投下、救助、機銃掃射の状況などの手記も。字数は1500字以内。  体験を描いた絵、資料、写真なども日付や場所などを書き添えて提供を呼びかけている。受け付けは6月11日から12月末まで。応募につき1,000円の協力金が必要だが、後に本の代金から差し引く。  同委員会でも、あまり知られていない特攻兵器の開発、工作機械が持ち込まれ機雷などを製造した学校工場、工廠地元の中舞鶴地区の暮らしなど、インタビューや座談会形式で聞き取り収録する。蒲田代表は「舞鶴の戦争を伝える最後の機会で、高齢者からも自分の体験を話したいという声が出てきた。舞鶴の戦争、空襲を掘り起こしたい」と話す。  講演会は6月11日午後2時から浜の市商工観光センターで。安斎さんは放射線防護学の専門家で、福島原発事故に関する本も最近出版した。参加費500円(資料代)。高校生以下無料。

体験記・講演会の問い合わせは事務局の関本長三郎さん(電話FAX62・5736)。

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