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舞鶴空襲学徒犠牲者慰霊祭<br>平和への願い 今こそ声を

舞鶴空襲学徒犠牲者慰霊祭
平和への願い 今こそ声を

投稿日時:2022年08月05日(金)

 余部下の共楽公園で7月29日、舞鶴空襲で亡くなった学徒動員の生徒らを追悼する「舞鶴空襲 学徒犠牲者慰霊祭」が営まれた。
 新型コロナ感染拡大を受けたこの2年は、規模を縮小し地元関係者のみで行ってきた。今回は3年ぶりに遺族らにも案内し、市内外から訪れた約20人が参列。爆心地の旧舞鶴海軍工廠跡地を見下ろす高台に位置する慰霊碑の前で参列者は、献花をして犠牲者らの霊を慰めた。
 主催者を代表してあいさつに立った慰霊碑管理委員会副委員長の小坂光孝さん(92)は、「舞鶴第二中(現東舞鶴高)に在籍時、学徒動員され人間魚雷に火薬を詰める作業に関わった体験を語り、「舞鶴に空襲があったことも知らない若い世代に戦争体験を語り継いでいくことを誇りに思う」と力を込めた。
 1945年7月29日の空襲で命を落とした学徒らは97人。翌30日には艦載機からの攻撃で、さらに83人が死亡した。
 学徒9人が犠牲となった京都師範の後身である京都教育大の太田耕人学長も今回初めて参列。戦後75年の新聞報道で慰霊祭のことを知ったという太田学長は、6月にウクライナから2人の留学生を受け入れたことに触れ、「やせ細った留学生の姿は舞鶴に動員された学徒と重なる」とし「大人には若い人が二度と戦争で苦しまぬよう努める義務がある」と平和への思いを新たにした。

慰霊碑を前に献花する参列者
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