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舞鶴水産実験所助教授の益田さん 専門とする魚類心理学の入門書出版 【舞鶴】

舞鶴水産実験所助教授の益田さん 専門とする魚類心理学の入門書出版 【舞鶴】

投稿日時:2006年06月30日(金)

初めての著作を手にする益田さん

 長浜の京都大学フィールド科学教育研究センター・舞鶴水産実験所助教授の益田玲爾さんが、専門とする魚類心理学の入門書『魚の心をさぐる―魚の心理と行動―』(成山堂書店、四六判、144ページ)をこのほど出版した。舞鶴などの海に潜って研究のフィールドにする益田さんの初めての著作。独自の視点から魚の行動を分析し、市民に馴染みの若狭湾の魚たちも登場する。全国の書店で発売中。  益田さんは1965年横浜市生まれ。東京大学農学研究科博士課程を修了後、ハワイの研究機関に勤務した。2000年に実験所に移り、魚類心理学の研究室を開設、舞鶴湾などを定期的に潜り、魚たちの生態を観察・研究し、その一端を本紙の連載「若狭湾水中散歩」で紹介するほか、テレビの科学番組に出演したり講演会で話してきた。『海の生物資源』(東海大学出版会)などで分担執筆した。  「魚の行動の背後にあるからくりを実験で確かめたい」との思いで魚類心理学をスタートし、放流に最適な成長期を調べたその研究成果を水産資源の管理に役立てたり、魚で分かった点を人間心理への応用にもつなげることを追求する。  高校生らを対象に、水産の知識をわかりやすく伝える成山堂のベルソーブックスシリーズの26冊目として、監修する日本水産学会の依頼を受けて執筆した。舞鶴湾の四季の魚の様子、シマアジなどがきれいに並んで泳ぐ秘密、イシダイを使った学習能力の実験、木で作った漁礁の効果などを書いた。研究者の生き方に興味を誘うような話題や地球温暖化にも言及し、多くの魚の写真も掲載する。  益田さんは「研究者になって本を書くことが一つの夢だった。舞鶴の海に潜って思いついたことを実験で確かめ、市民や小学生に説明することの積み重ねが本の形になった。舞鶴にいなければ書けなかった本です」と話している。初版は2000部。定価1680円。書店になければ注文を。  益田さんは7月5日午後八時から放送のNHK番組「ためしてガッテン」に出演する。

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