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舞鶴市シルバー人材センター<br>匠の技 初春彩る<br>市内各所に自慢の門松<br>11回目の製作で「作品」は年々進化

舞鶴市シルバー人材センター
匠の技 初春彩る
市内各所に自慢の門松
11回目の製作で「作品」は年々進化

投稿日時:2023年01月10日(火)

 昨年12月下旬。舞鶴市シルバー人材センターで、毎年恒例の門松づくりが大詰めを迎えていた。作業を指揮するのは島田功一さん(76)。平成23年から始まり、今回で11回目となる門松製作の三代目担当者だ。
 同センターでは毎年10セット程度の門松を製作。大きさは150㎝から10㎝ずつ大きくなった3通りで、価格は2万円台前半から約3万円までと市価の半額程度で提供している。
 安価で製品を提供できる理由は、材料のほとんどを会員らの協力で集めていることが大きい。竹は協力事業者の山から伐りだし、松は長浜の京大水産実験所、梅は会員宅の梅の木からなど、賛同者の好意と会員の惜しみない手間によって成り立っている。
 とりわけ、斜面からの竹の伐りだしには危険が伴い、「いつも今年が最後という気持ちで取り組みます」と島田さんが話すように参加する会員の総力を挙げて、一期一会の気持ちで仕事に取り組むという。今回から門松担当となった同センターの井上祐二係長(69)は、「私はお客様との折衝に当たりましたが、作り手の皆さんの苦労を目にしているので気合が入りました」と振り返り、「今回初めて、舞鶴港とれとれセンターさんから注文をいただきました。舞鶴を代表する観光スポットに設置いただきスタッフ一同とても喜んでいます」と笑顔を見せた。

作業場で笑顔を見せる島田さん(左)たち

【感嘆の声が一番の報酬】
 島田さんが門松づくりに関わり始めたのは6年前。前担当者から引き継げる会員を探していたセンターにより、白羽の矢が立てられた。もともと竹細工を趣味としていた島田さんは、すぐに門松づくりに順応。こだわりの強い性分だという自己分析の通り、「作品」をどんどん進化させていった。
 材料集めから組み立てに至るまで、工程それぞれに強いこだわりを見せる島田さんだが、門松の印象を大きく左右する竹の細工にはとりわけ気を遣うという。竹は太すぎても細すぎても適さず、また節の長さも大切で、節の下から絶妙なポイントで斜めに切ることにより、口角の上がった笑顔の人を表現している。3本の竹は、親と子、孫を表し、それぞれの世代がしっかりと結びついた家族の繁栄を願うものとなっている。
 斜めに竹を切る作業には熟練が必要で、島田さんは自ら考案した専用の作業工具を使用しているという。葉ボタンや南天、千両など使用する材料も多く、毎年何か一つは入手困難に陥るといい、島田さんは「まず材料がそろうかどうかからのスタート。そういう意味でも今年が最後になるかもしれないという気持ちで取り組んでいます」と話す。材料を仕入れたら簡単だが、すべてを仕入れたら今の価格では成り立たなくなる。センターでの門松づくりは、そうしたもどかしさの中で取り組まれ続けている。
 そうした状況について井上さんが「そもそも今の価格も、作業代として支払える金額はわずか。携わってくださる会員さんの好意によって成り立っています」と感謝を述べる一方、島田さんは「私はただ、喜んでもらうのがうれしくてやっています。金銭ではない。『すごい』と喜んでもらえることが一番の報酬です」と笑顔を見せた。
 そんな島田さん率いる製作班が仕上げた「作品」は現在、市内各所で正月を彩っている。中でも一番の大作となったものは「舞鶴港とれとれセンター」に設置されている。この機会に鑑賞に訪れてはいかがだろうか。

当地自慢の観光名所を飾った門松
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