舞鶴医療センターに助産師外来 妊娠中のケアや出産後の訪問育児相談 【舞鶴】
投稿日時:2006年06月09日(金)
産婦人科医師の退職に伴って、行永の舞鶴医療センター(平野伸二院長)は先月(5月)から助産師外来を開設した。看護師10人がスタッフとなり、分娩の取り扱いを除く、妊娠中のケアから出産後の保健指導、自宅に訪問しての育児相談などに取り組む。医師がいなくなった機会を逆に活かし、看護師本来の仕事に立ち戻り、母子が主体となった出産や子育てをサポートする。将来は院内で分娩もできるようにと検討を重ねている。昼夜を問わない長時間労働などを背景に、全国的に産婦人科医の不足が深刻化する中、同センターでは3人いた同科医師が、出産準備などの理由で3月末までに全員が退職し、同科は休止状態となった。しかし、助産師らがこれまで蓄積してきた専門性と、未熟児の集中治療をするNICUを含む母子医療センターを活かし、自分たちにできる活動をしようと同外来の開設を実現した。陣痛から分娩、回復期までを、自宅と変わらない雰囲気の同一の部屋で過ごすLDR(居室型分娩室)を外来の相談室として利用する。外来者に対してゆっくりと時間をかけて話を聞き、妊娠中の乳房のケアや妊娠の保健指導、育児相談などに応じる。約1カ月間に21件の外来があった。自宅への訪問ケアは沐浴指導などに取り組む。このほか電話相談や、他の病院で生まれた新生児の同センターへの搬送で、小児科に同行して母子をフォローする。母子医療センターには現在も、搬送されてきた未熟児や産褥入院する女性らが入院している。助産師の森谷幸子さん(32)は「いまは病院で医師が扱うお産が当たり前になっていますが、そうした市民の意識を変え、自然なお産とは何かを一緒に考えていきたい」と新たな一歩を踏み出した。同センター病棟師長の吉田美和子さんは「本来お産とは自然なもの。母子が主体となって、その声を聞きながらいいお産ができるように助産師本来の仕事をしていきたい」と話す。今後は助産師が分娩を扱えるように院内助産院の開設に向け、取り組みたいという。外来と訪問ケアは平日の午前9時~午後4時、予約制。電話相談は平日の午前8時半~午後5時15分。
【問い合わせ】電話62・2680、同センター。
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