舞鶴出身の田主さん(茨木市)が新作14点 カラー版画を市商工観光センターに展示【舞鶴】
投稿日時:2005年08月09日(火)
舞鶴出身の版画家、田主誠さん(62)=茨木市=が、百景の制作を目指しているカラー版画「いいとこ舞鶴」の新作14点を完成させ、浜の市商工観光センター1階に展示している。戸島でコンサートのように聴こえたヒグラシの鳴き声、神崎の松林など、舞鶴のすばらしい自然と思い出を素朴で詩情あふれるタッチと色彩で描いた。この内、8点は版画絵はがきの第2集として近く販売される。東舞鶴高校を卒業した田主さんは独学で版画を学び、多数の国際版画展で入選。国立民族博物館に転職し、民族博物誌シリーズなどの版画を制作したほか、独立後は新聞などにも作品を発表してきた。本紙でも「ふるさとの風」で文章と版画を掲載している。ふるさとへの思いも強く、いつか舞鶴の姿を版画で伝えたいと、2001年に第1集の版画絵はがき8点を発表した。赤煉瓦倉庫群や与保呂川沿いの朝市などを描き、独自のシルクスクリーンの技法で、奥行きや透明感ある色彩の作品に仕上がった。それらの版画作品は寄託を受けた同センターで展示されていた。百景を目標に取り組む予定だったが、その後体調を崩すなどし、4年ぶりに続編となる新作を制作した。戸島でのヒグラシの降るような鳴き声を三角形の点を連ねて描いた「ヒグラシのオーケストラ」、冠島の祭礼で上陸した子供たちを描いた「雄島参りの小学校」、田主さんが子供時代から願をかけていたという思い出の樹木である「松尾寺の大スギ」などがある。これまでの8点と入れ換えて、同センターで展示している。入場無料。田主さんは「あわただしく変化する情報化時代の中にあって、ふるさとのしみじみとした風景と情味が伝われば。近いうちに百景を描いて版画集を作りたい」と話していた。また、新作の発表を記念して、田主さんと東高の同期の同窓生有志が、同センターでこのほど「田主誠さんと舞鶴を語る集い」を開き、関係者ら約70人が出席。松尾寺の松尾心空住職らが「今後の一層の活躍を」とエールを送り、田主さんは「ふるさと舞鶴がもっと文化の高いまちに育ってほしい」と語った。
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