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舞鶴で唯一の造酒屋「池田酒造」 本格的に自家醸造を復活 地域も応援【舞鶴】

舞鶴で唯一の造酒屋「池田酒造」 本格的に自家醸造を復活 地域も応援【舞鶴】

投稿日時:2010年02月19日(金)

酒を仕込む池田恭司さん

 舞鶴で唯一の造酒屋である中山の「池田酒造」(池田崎子社長)が、本格的に自家醸造を復活させ、今シーズンから純米のしぼりたて生原酒や大吟醸の仕込みもスタートし、生原酒の出荷を始めている。サラリーマンから家業を継いだ専務の池田恭司さん(40)の元には、酒造りの復活を歓迎し応援する声も多く寄せられ、将来は舞鶴産の酒米での仕込みや、地域とタイアップした商品の開発もと夢を広げている。池田酒造は1879(明治12)年の創業で、由良川に架かる八雲橋近くに位置する。汲み上げた地下水を使って但馬杜氏が仕込みの陣頭指揮をとっていたが、需要の減少に伴って、大手酒造メーカーから原酒を買い上げる「樽買い」が次第に増え、ここ20年間は醸造を休止していた。恭司さんの叔母の孝子さんが、苦しい時期に会社を切り盛りしていたが、何とか自家醸造を復活させたいと、酒造りを一から勉強し杜氏を務める。建設資材などの営業畑のサラリーマンだった恭司さんも、迷った末に家業を継いで酒造りに夢を託した。4年前から試験的に仕込みに取り組み、1昨年秋から本格的に醸造を開始した。京都産の酒米を使って純米酒「池雲」や吟醸酒、にごり酒などを生産する。現在は同社で出荷する全量の3割を自家醸造が占める。今シーズンの仕込みから新たに純米酒のしぼりたて生原酒の生産にも取り組み、18日から出荷を始めた。1.8リットル瓶で2300円。60本限定。醸造の再開を地元の人たちも応援し、純米酒も評判になりファンを増やしている。同じ加佐地区で大庄屋上野家を運営するNPO法人KYO・ふるさと加佐のスタッフと、タイアップした商品づくりをと語り合う。インターネットの通販サイトの開設や、5年以内に全て舞鶴産の酒米にする計画を立てる。そうした製造方法や支援者を目に見える形にし、5年間の成長目標を設定した取り組みが、府知事の「知恵の経営」で府北部第1号の承認を受けた。恭司さんは「多くの人に喜んでもらえ、やった甲斐がある。地道に技術を磨いてうち独自のお酒を造り、いつかオール自家醸造にしたい」と話している。主な酒販店で扱っている。電話82・0005、池田酒造。

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