聴覚言語障害者たちの交流拠点、情報を学ぶ場 支援センター5周年、デイサービスセンター3周年 【舞鶴】
投稿日時:2006年06月23日(金)
市聴覚言語障害者支援センターが5周年、市聴覚言語障害者デイサービスセンターが3周年を迎えた。耳の不自由な人たちへの相談活動や、生活に必要な情報を学ぶ場を作るなどの役割を担う。情報が入らず孤立しがちだった障害者たちが、センターで交流の輪を広げて笑顔を取り戻している。記念式典が6月18日、余部上の市障害者総合支援センターで開かれ、今後も魅力あるサービスの提供と、未利用者への呼びかけをしていきたいとした。社会福祉法人・京都聴覚言語障害者福祉協会(高田英一理事長)が、ろうあ者や中途失聴者、難聴者らを対象に支援や機能訓練をする両センター(余部上)を運営。2001年に開設した支援センターは舞鶴市の事業委託を受け、手話通訳者と要約筆記奉仕員の派遣、補聴器や生活に関する相談などを実施する。昨年は生活相談が1644件で増加傾向にある。 デイサービスセンターは、ろうあ者たちが中心になり民家を借りて学習活動を行ってきた「つるの会」を発展させる形で、全国で初めて03年に開所し、現在は支援センターに併設。同協会の自主事業として、聞こえないことで入手できなかった防災・健康の情報を提供する学習、難聴者への手話教室、料理教室、創作活動などを実施する。家に閉じこもりがちだった人が訪れ、心を開くきっかけの場となっている。毎週月、火、木、金曜に開き、36人が利用する。式典には利用者や手話サークル、要約筆記サークルのメンバーら約100人が出席。同協会常務理事の保住進さんが「障害者や高齢者など社会的に弱い立場を余儀なくされる社会から、関係者の皆さんと力を合わせ、少しでも温もりのある豊かな社会になるよう努力したい」とあいさつ。続いて、デイサービスを利用する女性たちが習った銀座カンカン娘の踊りを披露したり、ろうあ者の濱元和子さんが「新聞やテレビの分からない用語を持ち寄って勉強したり、しめ縄づくりをしています」とデイサービスの様子を発表した。また、難聴者の中野恵子さんらが「職員の皆さんの笑顔に迎えられ、聞こえにくいことを気にすることなく集い、笑い、心のほぐれる幸福を感じています」とお祝いのメッセージを寄せた。同協会によると、サーービス量に応じて利用者に原則1割負担となる障害者自立支援法が今春から実施されて以後、デイサービスの利用回数を減らすケースも出てきた。「障害者手帳を持つ難聴者は市内で600人です。こうした人たちにまだまだセンターが知られていない。利用を呼びかけていきたい」とする。
両センターの問い合わせは電話64・3911、FAX64・3912。
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