繋げられる平和のバトン 「語り部」養成講座 若浦中生徒も参加 それぞれの想いで学ぶ日々
投稿日時:2017年02月24日(金)
平の舞鶴引揚記念館で18日、語り部養成講座の第4講座から6講座が開かれ、19人の受講生が主に当時の歴史背景について、講師の話に聴き入った。同講座は、平成元年より続いていた館内での「語り部」活動が、高齢化等により存続の危機を迎え、16年の開講から21年まで続けられた。22年以降、応募者の減少により中断していた講座だが、世界記憶遺産登録によって来館者が大幅に増加したことを受け、語り部の増員が急務となり、27年同講座を6年ぶりに開催するに至った。今年度は、市内外より20人(男性6人・女性14人)の受講者が集まり、1月28日、2月18日、3月11日、3月25日の計4日間12講座を開催することになっている。同館の入館者は、記憶遺産登録決定前の10万543人から、14万7033人と1.46倍の大幅な伸びを示しており、舞鶴・引揚語りの会による案内実績も643件から971件と1.51倍となっている。今回、同館地元の若浦中から、大人に混じって講座を受講している3人の女子中学生に話を聞いた。バレーボール部に所属する井上鈴奈(すずな)さん(14)=写真中央は、「中学生がこんな機会をいただけるのはありがたい。内容は難しいけれど、歴史が好きなので面白い。自分も含めて戦争を知らない世代が増えている。しっかりと学んで歴史を語り継ぎ、平和の大切さを訴えて行きたい」と目を輝かせた。陸上部に所属する藤原暖(はる)さん(14)=写真左は、「井上さんに誘われて参加をした。実際に参加してみて、どんどん興味がわいている。学校で記念館を訪れる機会があるので、同世代の私たちが語ることでより一層伝わりやすいのではないか」と実際に学校の友達らに伝える意欲を熱弁した。バレーボール部に所属する谷口喜蘭(きら)さん(14)=写真右は、「ボランティアで、戦争体験の紙芝居に携わっている。今回しっかりと学ぶことで、より深い知識に基づいた紙芝居をしたいと思い受講している。背景を分からずにただ読んでいるのではなく、知識に裏付けられた紙芝居になると、伝わり方が大きく変わると思う」と明確な目標に基づく受講の意図を述べた。戦後70年を過ぎた今、なおこうしてバトンが繋がれている。当地が世界に誇れることではないだろうか。受講生らは、3月の実習を目指して学習に励むことになる。
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