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精神障害者たちが働くカフェレストラン 「ほのぼの屋」の誕生エピソードなどが本に【舞鶴のニュース】

精神障害者たちが働くカフェレストラン 「ほのぼの屋」の誕生エピソードなどが本に【舞鶴のニュース】

投稿日時:2003年02月18日(火)

 精神障害者たちが働くカフェレストラン「ほのぼの屋」(舞鶴市)のエピソードや、その誕生の大きな力になった障害者福祉連続フォーラムの記録をまとめた本が、クリエイツかもがわ(京都市南区)から、このほど出版された。同店で働くメンバーたちの成長や、フォーラムで障害者自身が語った体験や願い、専門家らによる障害者の地域生活支援の課題を盛り込んだ内容。編者の社会福祉法人まいづる福祉会は、フォーラムの成果とその後の実践を文章と写真で伝えたいとしている。
 障害者が地域であたりまえに暮らすことをテーマに、同福祉会などが2000年から翌年にかけ6回連続のフォーラムを開催した。医療や福祉の専門家が講演、当事者と家族が実情を語り、毎回200人~300人が来場する反響があった。その取り組みが昨年、精神障害者授産施設と生活支援センターに実った。
 フォーラムの成果を参加できなかった人にも知ってもらおうと、その発言などを記録した本を企画。授産施設の事業であるレストランが好評であることから、同店での実践報告も加えることにした。フォーラムの講演者でもある国立精神・神経センター総長の高橋清久さんも、編者として協力した。
 題名は「いらっしゃいませ『ほのぼの屋』へ このまちであたりまえに暮らしたい」。1章では1977年に開設したまいづる共同作業所の歩み、古本屋での市民との交流、レストランでさらに多くの市民と出会い、生き生きとするメンバーの様子が描かれた。
 また、田辺市のふたば第2作業所施設長をする米川徳昭さんが、コーヒー店や古着屋、老人ホーム内での出店などの活動を紹介。さらに、日本障害者協議会常務理事の藤井克徳さんが、精神障害分野での国の施策の遅れなどを指摘し、将来の地域生活支援の展望を語った。
 このほか作業所に通う当事者が、発病までの生活歴や健常者と一緒に仕事がしたいなどの思い、当事者の親たちが自分が亡くなった後、子供たちを安心して託せるものが欲しいとの切実な願いも収録した。仕事などをしているメンバーの写真約40枚も載せた。
 同支援センター施設長の石束陽子さん(37)は「フォーラムでのメンバーや家族の発言は貴重な財産。また専門家による今後の福祉のあり方の話は、希望を与えてくれるものとなりました」と話していた。本は四六判、238ページ。初版は2500部。1冊2000円(税別)。書店のほか、行永のブックハウス「ほのぼの屋」、大波下の同支援センター(電話66・7707)で販売している。

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