立命館大研究グループ、市職労など 町財政 原発マネーに依存 おおい町で分析調査、地域再生へ提言 町予算の20%超が交付金【舞鶴】
投稿日時:2013年03月08日(金)
舞鶴市と近接し、原発が立地する福井県おおい町の財政分析をし、原発に頼らない地域づくりを考える取り組みが、立命館大学の研究グループや舞鶴市職員労働組合などによって始まった。町には目を引く大規模な公共施設が並び、電源交付金に依存する町財政や雇用など地元経済に大きな影響を与えている。地域の歴史などをたどり、原発受け入れの背景も調査し、今秋に提言をまとめる予定。
舞鶴市も20キロ圏内に入る関西電力大飯原発は1~4号機の内、3、4号機が昨年7月に再稼動した。全国で唯一動いている原発を持つおおい町に注目し、自立的な地域再生の方向を示そうと、同大学政策科学部の森裕之教授(財政学)と平岡和久教授(地域経済論)の研究室、京都自治体問題研究所、市職労などが昨年11月から現地調査や町議員から聞き取りを始めた。
おおい町では一般会計予算の20%超を、22億8、180万円(2010年度)の電源3法交付金が占め、さらに関電や原発関連企業などの固定資産税や法人町民税などを含むと、50%を超えるという。
また、13カ月ごとの定期検査は4カ月かけて実施され、ピーク時に約3000人の作業員が集まり、雇用や宿泊、飲食など地元経済への波及効果は大きい。舞鶴市からも高浜、大飯原発に約1000人超が何らかの仕事で関わる。
平岡教授は、おおい町は戦後初期に風水害の災害などで町財政の破綻の危機にあったことなどが受け入れのきっかけとなり、そこに政府の推進策がとられ、交付金と固定資産税、核燃料税によって、原発なしでは成立しない財政構造になったと経緯を説明する。
「豪華施設の建設や運営に、どれだけのお金がかかっているのかなど丁寧に財政を見るだけでなく、客観的に歴史とデータを踏まえて現状を分析し、脱原発を視野に入れどう財政を展開するのか、難しい問題だが広く議論する機会にしたい」と話している。
写真左=まいづる市民自治研究所作成
写真右=電源交付金で建てられたおおい町の公共施設
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