発足から85年・舞鶴瓦工事組合
「ありがたい」とお年寄り
屋根の無料点検
投稿日時:2022年04月15日(金)
市内の瓦事業者らでつくる舞鶴瓦工事組合(太田甲太郎組合長)が4月8日、一人暮らしの高齢者宅を訪れ瓦葺き屋根の無料点検を行った。
今回の対象地域は大浦・朝来・志楽の3地区。2月ごろに自治会を通して回覧板で呼びかけ、13人が希望した。
この日は朝から組合員らが集まり、手分けしてそれぞれの地区を回り点検にあたった。
専門家の到着に安堵の表情を浮かべる依頼者を前に、早速ハシゴをかけると、ひょいひょいと屋根へと上がる組合員。丁寧に手際よく、瓦の状態などを確認した。
そんな様子を見上げる小倉の川代美代さん(78)は、2020年12月に夫に先立たれた。「一人暮らしになってただでさえ心細い。あちこち気になって仕方なかった。屋根の点検は初めて」とし「年金暮らしでお金がかかることはなかなかできないけど、無料で点検してもらえるのはありがたいです」と目を細めた。
点検を終え項目別になったチェックシートを手渡すと、屋根の現状を伝え今後のアドバイスなどを送った。
同組合によるこのボランティアは、平成11年から続く息の長い活動。一人暮らしのお年寄りが屋根の修理で通常の何倍もの施工料金価格を請求されるトラブルが多かった頃に、独居老人を被害から守ろうと始まったもの。
近年こうした被害は減ってはいるものの、油断は出来ない。組合員は、「悪い業者が来たら、補修で対処できるような状態でも『全部替えた方が良い』と言われかねない。だまされないように気をつけてほしい」と注意を呼びかけている。
昭和12年2月「三舞鶴瓦葺同業組合」として始まった「舞鶴瓦工事組合」。戦時中には、一時活動の休止を与儀なくされたこともあった。発足から85年の歴史を誇る「舞鶴瓦工事組合」は今日も、雨風から家を守る瓦のように、悪徳業者の詐欺被害から高齢者を守ってくれている。
瓦に関する困りごとや気になること、分からないことなどがあれば問℡0773・62・2857、同組合事務所(太田瓦店内)へ。
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