演劇サークル「谺」円熟の十年目
投稿日時:2019年10月08日(火)
市民らでつくる演劇サークル「谺(やまびこ)」(粕谷美枝子代表)が12・13の両日、総合文化会館で第9回定期公演を開催する。今年は朗読劇「穴~キツネとネズミの物語~」と、演劇「ゆずのアルバム」の2作品を上演する。公演が近づくなか劇団員らは本番さながらの稽古に励んでいる。平成22年、市民7人で発足した「谺」は年1回の定期公演をはじめ、ボランティア公演など幅広く活動する舞鶴で唯一の演劇サークル。社会人や主婦、学生ら20人が所属している。
【穴~キツネとネズミの物語~】
洞窟の中の穴をはさんで出会う飢えたキツネと飢えたネズミ。2匹が人間社会に問いかけてくるものとは・・・。台本を手に音読によって物語を伝える朗読劇。同サークルで以前に手掛けたことはあるが、本格的なものは今回が初めてとなる。キツネを演じる浮田隆夫さん(41)、ネズミ役の瀬野卓さん(43)は「演技を伴わない朗読劇は声だけで演じるので、演劇とはまた違った難しさがある」と声を揃える。
【ゆずのアルバム】
高橋家にひきとられ「ゆず」と名付けられた一匹の子猫。しゃべることができる猫の一生をたどりながら、家族のあたたかさを届ける。主人公のゆずを演じる森下弘理さん(27)は入団2年目での大抜擢。「人の心を動かしたい、というのが演劇を始めた動機。ゆずを演じきって多くの人に感動を与えたい」とその言葉は力強い。飼い主の高橋優衣を演じる下津瑞貴さん(24)との掛け合いも見事で、冒頭から物語に引き込まれていく。それぞれ姉と父を演じる安井美也香さん(22)、と春山正一さん(66)の落ち着いた演技によりありふれた家族像が表情豊かに描き出される。春山さんは「ゆずが中心の家族の物語。稽古でもゆずにはずいぶん励まされました」と振り返る。演出の井篠泰志さん(39)はネタバレ注意としながら「谺を立ち上げて10年、公演は9回目。来年の第10回公演という節目に向け演技のレベル引上げに挑戦し、感動してもらうことを狙った」と作品への熱意をこめた。3月に始めた稽古は、それぞれの都合があるなか、代役を立てることもある。団員皆で試行錯誤し、作り上げた2作品。迫る本番に向け、さらに熱の入った稽古は続く。演劇サークル「谺」の公演「穴~キツネとネズミの物語~」「ゆずのアルバム」は総合文化会館小ホール。12日は午後6時半開場、同7時開演。13日は午後12時半開場、同1時開演。入場無料。
[お問い合わせ]TEL:0773・62・4764 粕谷さん。
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