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浮島丸事件から70周年 もう一つの引き揚げ 未来へ 7月25日、舞鶴と下北市民らが活動を報告 映画「エイジアン・ブルー」上映も 【舞鶴】

浮島丸事件から70周年 もう一つの引き揚げ 未来へ 7月25日、舞鶴と下北市民らが活動を報告 映画「エイジアン・ブルー」上映も 【舞鶴】

投稿日時:2015年07月14日(火)

沈没し海面にレーダーと機銃をのぞかせる「浮島丸」。その向こうに見えるのは入港する引揚船「興安丸」(1945年9月、故三浦日出夫さん撮影)

 終戦直後、旧海軍の特設輸送船が舞鶴湾で爆発沈没し、帰国途中の多くの朝鮮人労働者が亡くなった「浮島丸事件」から70周年を迎える今夏、「浮島丸殉難者を追悼する会」(余江勝彦会長)が、7月25日午後1時から浜の市商工観光センターでつどいを開く。船が出港した青森県下北と爆沈した舞鶴で、長年事件を伝え追悼する市民たちが取り組みを報告。事件を題材にした映画「エイジアン・ブルー」を上映する。参加を呼びかけている。青森県下北半島で鉄道建設などに従事させられていた朝鮮人労働者と家族を乗せた「浮島丸」が大湊港を出港し、釜山に向う途中に寄港した舞鶴港で1945年8月24日に謎の爆沈をし、524人が犠牲となった。地元住民などが救助にあたったが発生当時に報道もされず、船は海上にマストを出したまま9年間も放置された。市民らが爆沈現場近くに建立した殉難の碑前で、追悼する会が毎年8月24日に集会を開いている。60周年の2005年には追悼する会は韓国や中国から研究者を招いて国際シンポジウムを開き、最近では事件を紙芝居にして伝える。日本各地や韓国からも来鶴し、事件を学ぶ人も増えている。しかし、犠牲者の遺骨280体は東京都内の祐天寺に残されたままで返還も進まない。旧ソ連などから舞鶴港への引揚者と対置して、朝鮮半島へ戻るはずだったもう一つの引き揚げとしていまも事件は解決していない。70年の節目に平和を求める新たな出発点にしようとつどいを企画。元シベリア抑留者で当初から追悼に関わる同会顧問の須永安郎さん(90)、青森県むつ市で強制労働の証言集を作り追悼活動を続ける「浮島丸下北の会」顧問の鳴海健太郎さんと会長の村上準一さんが、それぞれの取り組みを報告する。その後、戦後50年の1995年、京都市民グループが企画した映画「エイジアン・ブルー」の上映会を開く。映画撮影は舞鶴市内でも行なわれ、多数の市民もエキストラ出演した。須永さんは「朝鮮人たちが祖国に戻って新しい生活や国づくりをしようとした希望が事件によって打ち砕かれた。戦争の歴史を繰り返さないために、浮島丸を伝え歴史を学ぶ場になれば」と話している。参加費800円。
【問い合わせ】電話63・2539、余江さん

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