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泉源寺の愛宕神社 一部古い瓦残し屋根瓦ピカピカに【舞鶴】

泉源寺の愛宕神社 一部古い瓦残し屋根瓦ピカピカに【舞鶴】

投稿日時:2016年04月22日(金)

 舞鶴市泉源寺の愛宕神社社殿の瓦吹き替え工事が完了し、このほど現地で竣工式があった。2009年の修復工事に引き続き、建物はこれで整備を終えた。地元住民たちが参加し、完成を祝った。愛宕神社は火伏せの神として知られ、全国各地に祀られている。泉源寺には元は笠松山(愛宕山、標高272メートル)に江戸期の寛永年間(1624~43年)に遷座された説と、厨子内の墨書に延享元(1744)年の文字があることから、この年に祀られたとも言われる。泉源寺、大波上、大波下、市場の4カ村で共同管理し、信仰を集めてきた。第2次大戦の日米開戦を前に、海軍が高射砲陣地を笠松山につくるため、1939年に南側の経ケ尾(標高125メートル)山頂に村を挙げて移築した。それ以後は泉源寺の農事組合が中心になって管理する。社殿中央には甲冑を身にまとい白馬にまたがった将軍地蔵が祀られ、右に天狗次郎坊、左に愛宕大権現が置かれる。各地の愛宕信仰を調査する研究者によると、こうした3体が祀られるのは珍しいという。戦時中は海軍関係者が出兵前に参拝に訪れたりした。長年の風雨で傾いた社殿や戸などを2009年に修復した。瓦も割れるなど傷みが進んでいたため、修復工事実行委員会(谷奥喜代晴委員長)が昨年8月から吹き替え工事を行った。4面ある屋根の内、東側は古い瓦をきれいにして再利用した。山頂には車が入れないため、地元農家が所有する運搬車3台を利用し、参道から瓦を運んだ。総工費は約500万円で、府と市の文化財補助金も受けた。竣工式では智性院の増田憲(けん)嶺(りょう)住職が般若心経を唱えた。谷奥委員長は「多くの人に参拝に来てもらい、地域の文化財を若い人たちに引き継いでいきたい」と話していた。

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