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永年にわたる功績顕著~総務大臣表彰受賞 藤本功さん(行政相談委員)

永年にわたる功績顕著~総務大臣表彰受賞 藤本功さん(行政相談委員)

投稿日時:2019年10月15日(火)

受け取った賞状を手に笑顔の藤本さん

 行政相談委員を務める藤本功さん(78)が総務大臣表彰を受賞し、表彰式が2日、京王プラザホテル=東京都新宿区=であった。平成19年4月から12年6カ月にわたって住民の様々な相談に応じ、解決へと導いてきた。「これからも元気なうちは住民の役にたてるよう、頑張ります」と力強く語る。

 行政相談委員は、総務大臣から委嘱を受けた民間のボランティア。本来の仕事は住民の身近な相談相手として国の行政機関などのへの苦情や意見・要望を聴き、解決のための助言や役所への連絡をするというものだが、相談委員のもとには様々な相談事が舞いこむ。「この仕事は非常に奥が深いです」長年委員を務めてきた藤本さんならではの言葉だ。当初は住民と国との橋渡し役という認識だったが、受ける相談は実に多種多様なものだ。日常生活における問題はもちろん、特に近年多発する自然災害の復旧に関すること、突発的な出来事への対応など、国だけでなく府や市に持ち込まなければならない案件も多いという。市だけでは事が進まない案件についての相談を受けたことがあり、府と市の両方に掛け合った結果解決できたときは相談委員として住民の役に立てたことが嬉しく励みになったという。藤本さんは、行政相談委員の仕事をあえて「よろず相談」とよんでいる。どこにいえばいいのか、だれにいうべきなのか分からないあらゆる相談を受けるからだ。行政機関へ持ち込む案件だけでなく、個人間の問題を相談されるケースも多い。その内容も時代の移り変わりとともに変化している。
 以前相談の多かった散歩中の犬の糞の処理に関する苦情は、飼い主のマナーが向上したことで大幅に減ったという。一方で最近は、土地の境界や借地、借家に関するトラブル、親族間での相続に関する相談などが増加。昔は当たり前だった気心の知れた近所同士、一番身近なはずの親族間でさえも人間関係が希薄になっているのではないかと危機感を抱く。「常日頃から隣近所、家族とは仲良くしてください」と穏やかに諭した。現在は、定例相談所、特設行政相談所を開設して住民の相談に応じるほか、災害発生時は被災者に対して特設相談所を開設し対応している。日頃から、相談委員の仕事がまだ十分に市民に知られていないと感じている藤本さんは、平成30年度から「FMまいづる」に番組出演して行政相談制度の普及や周知にも取り組んでいる。今年4月からは府内の相談委員が組織する京都行政相談委員協議会の理事に就任し活動の場がさらに広がった。80歳が定年と定められている行政相談委員だが「おもしろいと思えることもたくさんあります。表彰を受けたら、定年を迎えたら終わりではなく、元気なうちは皆さんの役に立ちたいですね」と頼もしい笑顔を見せた。

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