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水泳個人メドレーで世界新 ~亀井さん(85)日本新も7回更新

水泳個人メドレーで世界新 ~亀井さん(85)日本新も7回更新

投稿日時:2018年06月26日(火)

個人メドレー200mで世界新記録を出した亀井さん(前列中央)とクラブの仲間たち

 泉源寺のビートスイミングクラブに通う、亀井美尚(よしなお)さん(85)=上福井=が、京都市で開催された日本マスターズの200m個人メドレー(85歳~89歳)で世界新記録を出した。亀井さんはこれまで数々の日本新記録を樹立。今年に入ってからも個人メドレー100m、200m、400mで合計7回の日本新記録を樹立しているが、今回初めて世界新記録更新の快挙を成し遂げた。「クラブの先生や友人などの応援があり世界一になれた。今後も大会に挑戦していきたい」と意欲を見せる。

 定年退職して舞鶴に帰郷した60歳から同クラブでトレーニングに励んできた。専門は自由形だが、70歳から健康のためにと4種目を泳ぐ個人メドレーを始めた。75歳から本格的に大会に出場。平成20年にはオーストラリアで開かれた世界マスターズの400m個人メドレーにも出場し3位に入賞。府スポーツ賞を受賞している。亀井さんは週4日クラブに通い、約1.5kmを泳ぐ練習を続けている。メドレーはバタフライ→背泳ぎ→平泳ぎ→自由の順で泳ぐ競技。70歳から自身が出場した全てのタイムを記録しデータを蓄積、どの種目を強化するかなどを分析し、コーチと相談しながら弱点を補う練習につなげているという。またメンタル強化のために陶芸や茶道、座禅なども取り入れ、公式試合に挑戦してきた。コーチを務める奥東俊彦さんは「タイムを分析して練習に活かすというのは、他の選手にいつも教えていること。亀井さんは徹底的に分析し緻密な作戦のもと大会に出場している。まさに選手の鏡です」と話す。世界記録は3分48秒2。これまではアメリカ人が記録保持者だったが、亀井さんが塗りかえた。現在の最高タイムは、400m(短水路)8分46秒73、世界新記録を出した200m(短水路)3分48秒20、200m(長水路)4分1秒71、100m(短水路)1分40秒5。200m(短水路)で2回、10mで1回日本新記録を更新したため、新記録を7回樹立している。奥東さんは「85歳で水泳をするだけでもすごいのに、世界記録というのは本当に偉業。水の中に入ると若返ったような動きです。ビートスイミングクラブとしても皆で亀井さんを応援しており、雰囲気もとてもいい。亀井さんの大会への挑戦は水泳全体の活性化になり市の活性化にも繋がると思う。水泳人生を長く続けてほしい」と話した。亀井さんは「マスターズの様な社会人が出られる大会を知らない人もいる。友人たちにも進めているが、水泳は健康にいいし、大会への挑戦はやりがいがある。体力の衰えはあるが、今後も挑み続けたい」と抱負を述べた。本紙にも度々登場いただいた亀井さん。5年前の紙面では「85歳で世界記録を狙いたい」と抱負を語っていた。努力を信じ継続することで見事に世界一を実現した。その姿は、日々目標を持ち意欲的に生きることの大切さを訴えている。
(井上 務)

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