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歴史上の役割明らかに 市、最新の研究成果まとめ 幽斎の業績本にする【舞鶴】

歴史上の役割明らかに 市、最新の研究成果まとめ 幽斎の業績本にする【舞鶴】

投稿日時:2013年02月19日(火)

舞鶴市歴史上の役割明らかに

舞鶴市が、初代田辺城城主の細川幽斎(1534~1610年)の業績をまとめた本を完成させた。信長、秀吉、家康に仕えた幽斎の歴史上の役割、日本文化に秀でた文人、城下町のまちづくりなどに光を当て、研究者や市民たちが執筆している。今春から中学校で学習の教材にも役立てる。市役所などで市民にも販売している。
 市は2011年度に市民参加のワークショップを開き、続く12年度に熊本大学文学部附属永青文庫研究センターの稲葉継陽教授、市文化財保護委員の加藤晃さん、舞鶴山城研究会会長の廣瀬邦彦さん、田辺城ガイドの会会長の野々尾理一さんら5人の作成委員会が執筆した。総費用は480万円。
 本「細川幽斎と舞鶴」はA5版、176ページ。幽斎が天下統一に果たした意義、城下町づくりと検地などの政策、芸能や学芸活動など四章の構成で紹介している。信長から幽斎へあてた多くの書状や図版なども掲載、幽斎ゆかりの市内の地を示したマップも付けた。
 信長の天下統一への足がかりを幽斎がつくり、豊臣政権では文化を通じて諸大名と秀吉の関係をつなぎ、家康には室町幕府の伝統についての知識を使って将軍家の権威を高めることに力を貸すなど、権力者のブレーンとして影の立役者だったことを明らかにしている。
 稲葉さんは「熊本に残る多くの幽斎関係の資料研究と、舞鶴の地域史研究の成果の共同作業で完成しました。読みやすく読み応えのある内容となり、今後のまちづくりに活かしてほしい」、加藤さんは「幽斎の最先端の研究成果が紹介され、日本史の中での幽斎の位置と丹後での活動がくわしく分かります」と話していた。
 完成を記念し2月16日には、南田辺の西総合会館で執筆者らによるシンポジウムもあった。
 冊子は2000部作成し、千部はふるさと学習に活用する。定価は1冊1,000円。市役所情報公開コーナー、中央公民館、加佐分室などで販売している。

写真=多々見市長に本の完成を報告する稲葉さん

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