次代を担う子どもたち
伝統行事を継承
23日には府のイベントに出演
投稿日時:2022年11月15日(火)
吉原地区に伝わる民俗芸能「吉原の太刀振」が3日、5年ぶりに朝代神社に奉納された。
府の登録無形民俗文化財である伝統行事は、昭和29年から原則として4年に一回執り行われており、「吉原太刀振保存会」=山尾清明会長(74)=が中心となって運営している。昨年はコロナ禍の影響で開催を見送ったが、今年は地元の小中高生を中心に8月から稽古を重ねてきた。
吉原の太刀振は、関ケ原の戦いに先立つ田辺城籠城戦で、城に立てこもった細川幽斎に加勢した漁師たちが活躍。その功績をたたえた幽斎が許した型が今も伝わっているという。地元住民が長く受け継ぎ、地域の誇りとしてきた伝統行事。自身も高校生の時に体験した保存会の山尾会長は、「当時とは大きく時代が変わったが、こうして続けられていることに感謝している」としながらも、「少子化で、参加する子どもを集めるのがまず大変」と地区の現状について述べた。
しかし、そうした背景を踏まえ、今年は地元の吉原小が協力。総合学習の時間を稽古にあてるなど、大きな力となった。放課後に行う週3回の稽古も含め、子どもたちの指導に当たる高橋一郎さん(74)は、「子どもに教えるのは楽しい。大人でも難儀するようなポイントでつまずいても、クリアしていく。どんどん上達して大人顔負け。無邪気に頑張る姿を見ていると、元気をもらえます」と笑顔を見せる。大舞台での披露を終え子どもたちは、23日に精華町で開催される京都府の行事「文化庁京都移転記念事業 伝統文化の夢舞台」への出演に向けた稽古に励んでいる。
吉原小の3年生は、6人が参加。今も週3回の稽古を続けているという。普段はダンスや合唱などに取り組んでいて、歌うことや踊ることが大好きだという佐藤輝星さんは、「とっても楽しい。みんなでやれるから楽しさが大きくなる」と声を弾ませた。
植田涼羽くんは、「大きな音が出て迫力がある。どんどんとできるようになって、楽しくなっている」と元気に話した。太鼓を打ち鳴らし、互いにアドバイスをし合う子どもたちは、「スマホのゲームもやるけど、そんなものよりずっと楽しい」と口をそろえた。
楽しそうに稽古に励む子どもたちを前に山尾会長は、「行事への参加を通じて、地域が好きになってくれたらうれしい。それぞれ子ども時代の素敵な思い出の1ページにしてもらって、大人になってからも故郷への思いを持ち続けてほしい」と期待を寄せた。
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