極薄で高硬度のマイクロギア作る 舞鶴高専・清原研究室 製造法、初めて開発 11月にボストンで研究成果を発表 医療用ナノロボット部品に応用【舞鶴】
投稿日時:2012年06月22日(金)
白屋の舞鶴高専電子制御工学科の清原修二准教授と、豊橋技術科学大学電気・電子情報系の滝川浩史教授らの研究グループは、極薄で高硬度な炭素構造物の製造技術を初めて開発した。ナノテクノロジー分野に挑む清原さんの研究室が、3年がかりでマイクロギアを作り上げた。今後は、医療用ナノロボットなどの部品に応用するため、大量生産できる製造法の開発に取り組む。 研究グループによると、シリコン基板上にダイヤモンドに似た材質のカーボン(DLC)幕を形成し、その上に保護膜を塗る。それを電子ビームでギア形状の保護膜を形成し、次に酸素イオンビームでDLCの一部を削って、最後にフッ化キセノンで基板のシリコンを溶かしてギアを完成させる。 ギアの大きさは直径が3~10マイクロメートル(1メートルの100万分の1)、厚さは400ナノメートル(1メートルの10億分の1)。DLC膜は、従来のものに比べて硬度が4~8倍の60~80ギガパスカル(ギガは10億)をもつ。また、炭素でできているため体内に入れても無害である。 イオンビームによる超微細金型の形成技術を確立した清原研究室では、専攻科の2年の伊藤茅さん、1年の池垣斗夢さんと松田将平さんが、ギアパターンの保護膜の厚さを制御するための条件、イオンビーム加工のためのビームの強さやどの方向から照射するかなどの条件などを求める研究に取り組んだ。純度の高いDLC膜の形成技術を持つ豊橋技科大が、シリコンの除去技術などを担当した。 清原准教授は「やっと形になってうれしい。今後は企業や大学など共同研究のパートナーを探し、低コストで大量に生産できる製造法を開発し、5年後には手術用ロボットなどの部品として実用化できれば」と話す。 11月に米国ボストンで開かれる国際会議「2012 MRS Fall Meeting」で研究成果を発表する。
写真左=製造技術を開発した清原准教授(前列右)と専攻科の学生たち
写真右=DLCを加工して作ったマイクロギア(舞鶴高専提供)
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