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東高生徒 シベリア抑留紙芝居で 犬のクロ物語に 収容所から一緒に引き揚げ【舞鶴】

東高生徒 シベリア抑留紙芝居で 犬のクロ物語に 収容所から一緒に引き揚げ【舞鶴】

投稿日時:2015年12月25日(金)

美術部員が作った紙芝居を上演する放送部員たち

 シベリア抑留者と暮らし、ともに舞鶴港へ引き揚げた犬のクロを描いた紙芝居を東舞鶴高校の美術部員たちが製作し、12月19日、北吸の赤れんがパーク4号棟で開かれた東高展で、放送メディア部員たちが初めて上演した。クロは収容所で抑留者にかわいがられ、日本へ引き揚げる際連れていかれることになったが、ナホトカで乗船が許可されず、クロは船を追いかけ海に飛び込み、船に引き上げられ1956年12月の最後の引揚船「興安丸」で舞鶴港に着いた。船長に引き取られ、2匹の子犬を産んだとされる。引揚資料のユネスコ世界記憶遺産登録を学ぶ中で、クロのことを知った1、2年の美術部員5人が、学校図書館司書の協力で物語を紙芝居にした。12枚の画用紙にクレヨンや水彩絵の具で、遊んでいるクロや舞鶴入港の場面などを仕上げた。文化系クラブや芸術科授業の活動を紹介する東高展で、1年の放送部員3人が紙芝居をめくり、物語を朗読した。美術部2年の山添真帆さん(17)は「苦しい抑留生活の中で、人とクロとの絆が伝わるようにと描きました」、放送部1年の宮木麻ヤさん(16)は「日本人にとってクロが大きな存在だったことが伝われば」と話していた。同校は今後、小学校などで紙芝居を上演し、引き揚げの史実を語りたいとする。

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