東高、テレビドキュ府1位 西高、アナウンスと朗読で NHK全国放送コンテスト出場【舞鶴】
投稿日時:2015年07月01日(水)
東舞鶴高校放送メディア部と西舞鶴高校放送部が、7月21日~24日、東京都内で開かれる第61回NHK杯全国高校放送コンテストにそろって出場する。東高の部員たちは、終戦後に日米友好のシンボルとして共楽公園に植えられたアロハ桜を伝え、京都府大会のテレビドキュメント部門で1位に輝いた。西高の部員はアナウンス部門で2位、朗読部門で6位に入り全国の切符を勝ち取った。
倉橋さんと奥森さんアロハ桜で平和伝える
府大会は6月14、15日、宇治市の京都文教大学などで開催され、府内の45校、約600人が、ラジオドキュメントなど11部門に出場。番組のテーマ選び、編集、アナウンス技術などが審査された。東高3年の倉橋咲子さん(17)と奥森彩加さん(同)は、映像番組「さくらコネクト~Peace&Aloha」を制作。同校で英語を指導するALTのアメリカ人オレン・ヒースさんが、アロハ桜について調べ授業で紹介する姿などを通じて、アロハ桜の歴史と平和の大切さを伝えた。終戦後、舞鶴に駐留した米軍兵士の日系2世、高木藤雄さんが荒廃の中にある市民の復興と平和を願ってソメイヨシノの苗木を自費で購入し、舞鶴に贈った。高木さんは1949年11月に急な転属が決まったが、舞鶴を離れる前に東舞鶴駅で出会った日系兵士たちに植樹を依頼した。役割分担した2人は英語でヒースさんにインタビュー、同公園で花見をする市民の声を集めるなどし、8分の作品にまとめた。2人は昨年、KTRをテーマに番組を作り、同部門で全国に出場している。倉橋さんと奥森さんは「優勝の発表を聞きとてもうれしかった。高木さんが桜に託した想いを引き継ぎ、平和と友好のアロハ桜をたくさんの人に知ってもらえれば」と話している。全国大会では決勝進出を目指す。
中野君、技術職員の心情と感謝を込めて
西高3年の中野洋君(17)がアナウンス部門で出場する。府大会では校内の施設や環境整備を担当する学校技術職員である男性の、縁の下の力持ちの仕事を1分半の原稿にまとめ発表した。蛍光灯がつかない時には交換してくれ、寒い冬には壊れたストーブをすぐに修理してくれるなど、「西高の隠れた『萬屋』」と紹介する。その一方、ポイ捨てのごみや割れて放置されたままのガラスに腹を立て、挨拶を返してくれる生徒が少ないことを悲しく思っていることも聞いた。「私達は、榊原さんのこんな苦労に支えられて学校生活を送っています。今度出会った時には、挨拶に一言、添えてみてください。『いつもありがとう』と」と結んだ。中野君は「全国に行く目標は達成できましたが、1位になれず気持ちは複雑。全国の決勝に残れるようがんばりたい」と意気込みを見せている。
永本君は作者の意図や情景を読み解く
西高3年の永本智士君(17)は朗読部門で出場する。府大会では5つの課題の中から三浦しをんの小説「神去なあなあ日常」を選び、クライマックスの一節を読み上げた。作品は高校を卒業したばかりの男子が三重県の山奥で林業につくが、山仕事をする村人や雄大な自然に触れて成長していく物語。映画化され全国で今年公開された。他の部員やOBたちに聴いてもらってアドバイスを受け、作者の意図や情景、作中人物の感情を伝えることに気をつけて練習した。府大会の決勝では今作のほか、鎌田實の「がんばらない」の課題も読んだ。持ち前の声量の大きさを活かした。永本君は「緊張しましたが最後の大会で全国に行きたいと臨み、発表後はやり切ったと思いました。全国では自分自身楽しみながら発表したい」と話していた。
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