本社記者講師に水カンリンバ作り 大浦小で親子行事、子らの個性にびっくり 【舞鶴のニュース】
投稿日時:2003年12月12日(金)
空き缶と水を使った楽器、水カンリンバの作り方を小学校で教える機会を初めてもらった。事前学習していたのかも思えるほど、子供たちは指示を待つまでもなく、個性的で面白い水カンリンバを作った。逆にこちらが教わった体験だった。【青木】
この楽器は民族楽器の演奏家の丸山祐一郎さんが、南米の楽器レインスティックをヒントに考案した。飲み口の蓋に切り込みを入れて鍵盤とした様子が、アフリカの指ピアノ「カリンバ」に似ている。傾けると水が「ポコポコ…」と流れる音がして、肩から力が抜けて心地よい。
各地で勝手に水カンリバ作りの輪が広がっている。それに乗っかり2年前の本紙暑中特集号で作り方を紹介した。その後、舞鶴生活学校が普及に取り組んでくださり、昨年は市リサイクルプラザが教室を開いた。今夏は養護学校の先生らに紹介できた。
今回は11月30日に大浦小学校で開かれた「大浦ふれあいフェスタ2003、2・3年生44人の親子行事として企画された。空き缶の工作は記者が、飾りつけの美術は養護学校教諭で画家の西村美紀さんが担当。主な工作は時間の関係で省き、あらかじめ人数分を製作して渡すことにした。
250ccと200ccの空き缶176個を事前に集めた。親子行事担当の2年生の母親、西野陽子さんが収集と製作に協力。田井漁業協同組合の水上隆夫組合長と養蜂農家の玉井賀代子さんに、たくさんの缶を提供してもらった。
飾りつけで使いたい紙などを、持参してもらうよう事前に知らせ、当日を迎えた。準備をしようと早めに会場に行ったが、打ち合わせをしようと思った担当者がおらず、ボーと会場で待つばかり。もう1人の講師は寝不足とかで車の中で仮眠を始めた。だんだん不安と緊張が高まる。
主催者のあいさつの後、いきなり講習へ。早口に説明し、親子には鍵盤を作る作業をしてもらった。その後に飾りつけを説明しますと言っておいたが、子供たちは教わることもなく、きれいな紙を缶に巻き付け、落ち葉やドングリ、ビンのキャップなどを取り付け、見るみる内に楽しい楽器を仕上げていく。すごいなーと感心した。マーブリングを教えていた西村さんも「こっちがいい勉強になった」と刺激を受けていた。
最後に完成した楽器を手に、全員で体育館の外で合奏を試みた。いろんな水カンリンバが揃い、「あれいいなー。これ欲しいなあ」と目がキョロキョロ。
後日、母親から「会場ではゆっくり音を楽しむことができなかったけれど、家に持ち帰り水の音や鍵盤の音を子供が楽しんでいる」、先生から「電子音や機械音があふれるいま、余韻のあるすてきな音。温かい気分になります」と感想を聞いた。子供たちの姿からもっと楽しい水カンリンバを作ろうと意欲を与えられた。
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