本格川柳 90歳の集大成~舞鶴番傘川柳会 森本芳月氏
投稿日時:2018年04月27日(金)
「川柳作家ベストセレクション・森本芳月」(税別1200円)がこのほど、新葉館出版(大阪)より発売される。余部上在住の川柳作家、森本芳月さん5冊目の最新句集。本紙読者には「まいづる文芸」掲載の「舞鶴番傘川柳会」会長・選者としても馴染みのある、90歳を迎えた森本芳月氏を取材した。
新葉館出版が発行する川柳の専門月刊誌「川柳マガジン」は、今年1月号をもって通刊200号を迎えた。川柳書を中核に出版事業を展開する同社は、同誌200号記念事業として、注目すべき現代の川柳作家200人の優れた句作を収めた選集「川柳作家ベストコレクション(全200巻)」を刊行する。森本さんの句集は、そのうちの一冊として発刊される。これまで作られた数多くの句から、自ら厳選した「自身の集大成」としている。
【行動力ある本格川柳の人】
森本芳月さんは、昭和2年11月23日、与謝野町生まれの90歳。市内では月一回、身障センターでの教室や句会「舞鶴番傘川柳会」を運営するとともに、会誌「心種(しんじゅ)」を発行している。福井や豊岡では句評を引き受け、宮津の句会へも足を運ぶ。森本さんは「以前は7つの句会に顔を出していた」という。シリーズの編者である松岡恭子さん(45)は注目に値する200人のひとりに選ばれた理由について「川柳ブームともいわれる昨今、《サラリーマン川柳(面白さやおかしさを表現する川柳)》に代表される流行とは一線を画した、《本格川柳》の担い手としての活動が高い評価に値します。類まれな行動力だけでなく、この年齢にして今なお現役で、川柳本来の人間を、心を描く、森本さんの《真面目な》川柳は、郷愁を誘い、誰もが深く頷ける句です。人生の先輩として、わたしたちの生きる参考になるものといえるでしょう」と話した。
【川柳は命そのもの】
昭和25年、新聞に投句した自作が掲載されたことをきっかけに本格的に句作を始めたという森本さんは、長く続けている秘訣を「川柳は命そのもの」と語る。「全国の柳友と付き合いがある。苦しい時は励ましてもらい、多くの人に支えられ、句作の生活がある。おかげで今も元気でいられる」と森本さん。舞鶴番傘川柳会の後継者不足に不安を漏らしつつも「自分が元気な限り続けたい」と力強い。68年間に渡り、舞鶴の川柳の隆盛に尽力してきた森本さん。「句会というものは足が遠のくもの。難しく思う人も多いが、やってみれば簡単。自分も独学で学んだ。始めると奥が深く人生を通してつき合っていける。気軽に川柳を触れてほしい」と魅力を述べた。
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