未踏の頂にあと一歩
府選抜チームの「京都ガールズ」が準優勝
投稿日時:2021年08月27日(金)
余内小6年 松平さんが攻守に活躍
京都府勢として初めて決勝に
兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で8月23日、第25回 全国高等学校女子硬式野球選手権大会の決勝戦が行われた。聖地・甲子園で初めての公式戦が開かれ、女子野球に新たな歴史が刻まれたこの夏。小学生日本一を決める「NPBガールズトーナメント2021全日本女子学童軟式野球大会」でも、熱い戦いが繰り広げられた。
同大会で準優勝に輝いた「京都ガールズ」では、本市出身選手がチームの躍進を支える活躍を見せた。
日本野球機構と全日本軟式野球連盟が主催する同大会は2013年に始まり、女子野球の普及を目指して年々広がりを見せている。
今年の大会は、愛媛県で開催。決勝戦は、プロ野球の公式戦も組まれる松山市の「坊ちゃんスタジアム」で行われた。
テレビ中継もあり注目を集めたこの試合、余内小6年の松平詩琉(しえる)さんが京都府勢初の優勝をかけた大一番に臨んだ。
兄の影響を受け小3で始めた野球。わずか3年でたどり着いた夢舞台は、まさに「真夏の大冒険」の一言がふさわしいものとなった。
決勝戦の栃木スーパーガールズ(栃木県)との一戦は、一進一退の攻防。タイブレークとなった延長8回、5対6のサヨナラ負けで京都ガールズは涙をのんだ。
自身も今なお白球を追う父の淳二さん(47)は「女子野球のレベルの高さに驚いた。試合ごとに感動しっぱなし。終わったら相手チームも入り乱れて仲良く一緒に写真を撮ったりと、これまで抱いていた試合の概念をひっくり返された。スポーツの原点を見た思いで清々しい気持ちだった」と我が子らの戦いぶりに賛辞を贈った。
【女子高校野球へ 夢はつづく】
松平さんが京都ガールズに選抜されたのは、今年6月。男子のチームで野球に取り組む毎日の中、選出の一報はまさに青天のへきれきだった。増えつつあるとは言っても、圧倒的に少ない女子の野球人口。初めて所属する女子チームは新鮮で、驚きの連続だった。
「思っていたよりずっとレベルが高くてびっくりした」と松平さん。毎週土曜日に宇治市のグラウンドに集まり、一日中ともに汗を流す中で、チームの結束は次第に強くなっていった。
そして迎えた大会。士気を高める松平さんをよそに、「思いがけず実現した家族旅行のようなつもりだった」と母の尚美さん(46)は振り返った。
しかし大会が始まってみると、チームは破竹の快進撃を繰り広げた。家族で松山に乗り込んだ松平さん一家は、試合に勝つたび宿泊を延長することに。ある種、神がかったチームの勢いはとどまることを知らず、「あきらめない野球」の真骨頂は3回戦の青森ゴールデンボンバーズ戦に発揮された。
両チーム総力戦となったこの試合、タイブレークとなった8回裏に奇跡が起こった。表の攻撃で得点できず、同点のまま迎えたその裏。京都ガールズは無死2、3塁とサヨナラ負けのピンチを迎える。
しかし、この絶体絶命の場面で、守備陣がトリプルプレーを成立させる。応援団の多くが半ばあきらめ、「ここまでよく頑張った」と見守る中で飛び出した起死回生のファインプレーだった。
チームはこの後も勝利を重ね、決勝戦に駒を進める。一家は結局、松山市に5泊することになった。
深夜営業の飲食店を経営する尚美さんは、営業時短要請に応え休業を余儀なくされる日々の中「先が見えない毎日ですが、娘たちの頑張りに勇気をもらった。家族にとって、一生忘れない夏休みになりました」と笑顔を見せた。
「もっと上手くなって、福知山成美に入りたい」とこれからの抱負を述べた松平さん。同校は、今年の大会でもベスト8に入った女子高校野球の名門だ。
近い将来、今度は甲子園で女子高校野球の決勝を戦う松平さんが見られるかもしれない。その飽くなき挑戦心を、じっくりと見守りたい。
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