昭和12年刊行『有本國藏翁』(水島彦一郎著) 水嶋さん(元市議)が復刻版自費出版 【舞鶴のニュース】
投稿日時:2004年01月20日(火)
伊佐津の元市議会議員、水嶋昇さん(78)がこのほど、昭和12年に刊行された『有本國藏翁』(水島彦一郎著)の復刻版=B5判、64ページ=を自費出版した。舞鶴出身の実業家で、郷里の発展のために力を尽くした有本翁の功績を知らない市民が増えたため、これを改めて後世に伝えようと出版したという。
有本翁は、万延元年(1860)に平野屋で生まれ、18歳のときに大阪に出て兄の経営する洋酒兼洋服店に就職。その後、24歳で大阪市内に洋服店を独立開業して成功した。40歳で大阪市会議員に当選、49歳には衆議院議員にも当選した。
晩年は郷里の舞鶴の発展のため、教育施設の充実のために多額の寄付を行った。68歳の昭和2年には、舞鶴図書館敷地購入費、76歳の同11年には、舞鶴公会堂の建設資金を、それぞれ当時の舞鶴町に寄付している。同19年、85歳で亡くなった。この功績をたたえ、昭和12年に衆議院員で後に舞鶴町長などを務めた水島彦一郎氏が、有本翁の半生をまとめた本を出版した。
水島彦一郎氏の遠縁にあたる水嶋さんは、郷土史『中筋のむかしと今』の編纂に携わっているとき、偶然に『有本國藏翁』を見つけた。この本を読んで改めて、有本翁の貢献に心を打たれ、復刻版の出版を決めたという。
水嶋さんは「有本翁の銅像が西総合会館前に建立されていますが、若い人は、翁の功績をほとんど知りません。改めて翁の恩に報い、その功績を後世に伝えるため出版しました」と話している。
復刻版には、新たに有本翁と水島氏の略歴を掲載、250部作成した。
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