旧三越大阪店解体で阪鶴鉄道のレール里帰り 11月4・5日、赤れんがフェスタで展示【舞鶴】
投稿日時:2006年10月31日(火)
11月4、5日、北吸の赤れんが倉庫群一帯で開催される赤れんがフェスタin舞鶴2006(市など主催)で、赤れんが博物館は旧三越大阪店(大阪市)の解体工事で見つかった、建物の鉄筋として使われていた鉄道レールを展示する。その中には、舞鶴と関係する明治時代の阪鶴鉄道のレールのほか、日本では現存例が少ないとされる「幻のレール」も含まれる。近代化が進む中での鉄材利用や製鉄技術の変遷を伝える史料といえる。 昨年五月に閉店した同店の解体工事で、鉄道レール約500本が出てきた。同店は鉄筋コンクリート7階建てで1917年に完成したが、当時は鉄が貴重だっため、古い鉄道レールを集め再利用したとみられる。レールに残る刻印から製造者と製造時期が判明、多くは1800年代後半の英国や米国製で、旧山陽鉄道など明治期の近畿各地の鉄道に使われていたらしい。 レールは交通科学博物館(大阪市)などに贈られるなど、研究者の間で注目を集める。解体に関わった柴山建築研究所(大津市)は、さらに保存展示先を探し、北近畿鉄道友の会舞鶴支部(福原習作支部長)を通して赤れんが博物館に打診。同館にも使われる米国カーネギー社製のレールもあり、近代化遺産として収集を決め、工事をした長谷工コーポレーションから23本の寄贈を受けた。 米国イリノイ製鋼会社によるレールには「1897 HANKAKU」の刻印があり、製造時期と納入先の阪鶴鉄道が示される。同鉄道は1893年(明治26年)に設立、日露戦争を前に軍用鉄道として1904年に完成した舞鶴鎮守府までの福知山~新舞鶴間の官設「舞鶴線」を借り、大阪~新舞鶴間を開通させた。 世界最古のレール製造会社の英国ダーリントンによる1870年製のレールは、上下の断面が同じ形の「双頭レール」で、鉄道初期のごく一部にしか使われていない「幻のレール」といわれ、1872年に日本で初めて開業した新橋~横浜間のものの可能性が大きいという。 同博物館は「大阪のれんが建築」としてこれらのレールをはじめ、大阪府内の鉄道構造物の写真などを展示する。11月30日まで。また、同舞鶴支部が海舞鶴線などの資料と写真を並べたり、ミニチュア列車の走行や鉄道の映像を上映する。支部の催しは4、5日のみ(入場無料)。
【問い合わせ】電話66・1095、同館。 同フェスタは市政記念館で機動戦士ガンダムの大型模型、グリコのおもちゃのコレクションの展示、旧商工会議所の壁面アート、赤煉瓦倉庫群の窓枠アート、近代化遺産写真展、北吸浄水場の公開、グルメコーナーなどを催す。アート&クラフトフェアの会場では、彫金ストラップづくりなどのワークショップもある。実費必要。時間は午前11時~午後4時。
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