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日本語がつなぐ確かな絆 ~ 「ノリコ学級」への募金続々

日本語がつなぐ確かな絆 ~ 「ノリコ学級」への募金続々

投稿日時:2020年08月04日(火)

日星高の生徒らとモニター越しに写真に収まるノリコ学級の生徒ら

 7月9日から市役所1階ホールに、ウズベキスタンの日本語学校「ノリコ学級」の運営を支援する募金箱が設置され、多くの寄付金が集まっている。以前からウズベキスタンとの交流を継続している日星高は7月31日、同校独自で集めた募金を多々見市長に手渡し、同学級で学ぶ生徒らとオンライン通信で交流した。

 ノリコ学級があるのは、ウズベキスタン東部のリシタン市。小松製作所に勤めていた大崎重勝さんが仕事で同市を訪れた際、いきいきとした子どもたちの姿に感動し、「この地に日本語学校を」と一念発起。妻の名「紀子」にちなんだ学校を設立した。重勝さんは2005年に志半ばで亡くなったが、その遺志を継いだ人々の手により今日まで運営されている。現在は40~60人が日本語の勉強に励んでおり、毎年30人以上の日本人がボランティアで学級を訪れて教師役を担ってきたという。しかし、コロナ禍に見舞われた今、運営が日増しに厳しくなっており、「ノリコ学級を支援する会」代表の永田立夫さんが立ち上がった。永田さんは、戦後に抑留されたウズベキスタンで、ナボイ劇場を建設した第4ラーゲル隊長の永田行夫さんの長男で、引揚のまち「舞鶴」とは縁の深い人物。市はこうした背景を踏まえて、募金活動に協力することになった。7月30日現在、市役所に集まった金額はおよそ35万円で、日星高からの寄付金13万1290円を合わせると、約48万円となった。

【交流の継続へ/オンラインでの講座開設】

 オンラインでの交流会に先立ち、日星高生徒会役員から寄付金を受け取った多々見良三市長は、「お金がこんなに重いものかと感激した。あたたかい支援の気持ちをしっかりと現地に届けますので、安心して勉学に励めるよう活用してほしい」と挨拶した。ノリコ学級のナシロフ・ガニシェル校長は、「コロナで苦しい状況が続いているが、支援いただいたおかげで何とか継続できます」と日本語で謝意を述べた。その後は、日星高の生徒とノリコ学級の生徒が、互いに質問をし合うなど交流が行われた。ノリコ学級の生徒からは、流行歌や漫画についてなど日本の若者文化への質問が多く、17歳から20歳位の同年代の参加者は、異国の壁などないかのように活発な質疑応答を繰り返していた。「ノリコ学級を卒業したらどんな進路を考えているか」という問いに答えたダブラトジョンさんは、「舞鶴のポリテクカレッジに入学したいと考えています」と夢を語った。オンライン通信を終えた日星高の木村千晴さん(3年)と、太田愛菜さん(3年)は、「みんな日本語が上手でびっくりしました。同年代で親近感がわくと同時に、自分たちも将来に向かって頑張ろうという良い刺激になりました」と笑顔を見せていた。交流会の最後に日星高は、オンラインで結ぶ日本語講座を9月中旬に開設することを提案し、今後は定期的に交流をすることを確かめ合った。コロナ禍がもたらした危機は、新たな交流の形を作り出した。このことが共に両国の未来を担う若者にとって、得がたい経験となることは間違いない。

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