最新の記事

  

日本の美しい風土、7月11日までサンムーンで個展 米国人画家・ウィリアムズさん(大津市)が曲面絵画など【舞鶴】

日本の美しい風土、7月11日までサンムーンで個展 米国人画家・ウィリアムズさん(大津市)が曲面絵画など【舞鶴】

投稿日時:2010年07月02日(金)

遠近感や臨場感を出す曲面絵画とウィリアムズさん

 日本の美しい風土に魅了されて各地を写生旅行する米国人画家のブライアン・ウィリアムズさん(60)=大津市=の個展が、浜のギャラリー・サンムーンで開かれている。月夜や夕焼けにつつまれた青葉山と海辺のパノラマの風景画、遠近感を表現するために湾曲した平面に描いたオリジナルの曲面絵画など約40点を展示した。景色の光と空気までもとらえる絵は、自然景観を守ることの大切さも伝えている。1972年に来日後に定住し、日本各地の茅葺民家や海など自然の風景などを水彩画などで表現し、公立美術館にも作品が収蔵されている。画家として自然景観に触れる体験から、「景観は環境の健康をはかるバロメーター」と、メディアを通して乱開発による自然破壊に警鐘を鳴らす。舞鶴での開催に合わせ、若狭から丹後までの風景画を制作。高浜の和田から眺めた海と青葉山は月明かりの下で描き、その明かりが波と雲を照らし神秘的な風景となっている。また、同じ場所から夕焼けに染まる景色も描いた。小橋の海の作品は高所作業車に乗り、樹木で遮られた景色を高さ約11メートルの目線から眺めて完成させた。3年前から始めた曲面絵画は、曲線の流れで動く人の目線を画面で表現しようと考えついた。板を3、4枚張り合わせて凹凸の曲面の型に仕上げ、そこに油絵の具で描く。自分に近い景色は膨らんだ部分に、遠いところはくぼんな部分に配置することで遠近感や臨場感を出すことができる。桜島や隠岐の島の荒海などの雄大で迫力ある風景が並んだ。ウィリアムズさんは「日本の風景は四季の移り変わりがきめ細やかで同じ場所に行っても常に新しく、棚田は美しい曲線のあぜを持つなど魅力は尽きません。しかしそれも公共事業で破壊され、いま原風景のかけらしか残っていない。風景画家として保全を訴えるのも役目だと思っています」と話す。初日は立道明美さんによる箏の演奏も行われた。展示は7月11日まで。入場無料。火曜休み。【問い合わせ】電話63・4858、サンムーン

この記事をシェア!
Management BY
舞鶴市民新聞
当サイトは舞鶴市民新聞社が運営しています
ページトップへ