日本とブラジルの橋渡しを… 市職員の川勝さんが2年間の派遣終え帰国 【舞鶴のニュース】
投稿日時:2002年03月29日(金)
青年海外協力隊の日系社会青年ボランティアの一員として、ブラジルのアマゾン川下流の都市、ベレン市に滞在していた市職員の川勝尚子さん(28)=木ノ下=が、2年間の派遣を終えて今月帰国した。現地のアマゾニア日伯(にっぱく)援護協会の広報誌の作成を担当し、日系のお年寄りから開拓などの歴史を聞き取った。今後は日本とブラジルとの橋渡しの役割が果たせればとしている。
大学でスペイン語を学んだ川勝さんは、舞鶴市に働きに来ているブラジル人と話し、移住した日系人の歴史を知り、実際に現地に住んで体験から学びたいと思った。そんなことから2年前、協力隊のボランティアに応募した。
日伯援護協会は病院運営のほか、会員向けの広報誌「援協便り」を発行。発行は不定期で、日本語の間違いも多く、最初は日本とブラジル社会のペースの違いもあり、現地職員と衝突。徐々に自分の考え方を変えて、現地職員のサポート役に徹した。発行を定期にし、日本語版とポルトガル版を1冊にまとめた。同誌はA4大で40ページ。取材や広告の営業をした。
「長老からのメッセージ」の企画を立て、日本から移住したお年寄りから体験を取材した。重い口から語られる開拓や花嫁移住の苦労に圧倒されたが、個性ある存在に魅了された。日本語を懐かしむ日系1世のお年寄りらに隅々まで読んでもらい、初対面の読者から声を掛けられた。ブラジル人の親切さや明るく生きる姿にも影響を受けたという。
川勝さんは「移住したお年寄りたちは何もないことを不自由と思わず、自分の手で作りだしてきた。そのシンプルさが本来の姿だと思った。日本のいまの生活は機械に遊ばれている感じがする」と話していた。4月から復職する。
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