日星高「コミュニケーション授業」の試み(上) 保育所と特養ホーム、3年生が2年間の実習終える【舞鶴】
投稿日時:2010年02月02日(火)
「役立ち感」「自己肯定感」「思いやる心」を育てることを目的に、2008年4月から始まった舞鶴市・日星高校のコミュニケーション授業の試み。この授業を初めて体験した3年生10人が2年間の実習を終えた。1年目に西乳児保育所(円満寺)で幼児たちと交流した様子を継続して報告した。2年目は特別養護老人ホーム「安寿苑」(上安)での実習。高齢者との交流と2年間で学んだことについて取材した。コミ授業、昨年2月の保育所での取材から1年、生徒たちはどう変わっただろうか。1月の安寿苑での最終回の実習に訪れた。保育所とはまったく勝手が違い、高齢者との交流では、大きな変化は期待できないのではと予想した。昨年5月から計11回の実習は毎回、一対一のペアを組む高齢者の元へ行き話したり、隣で食事を一緒に取ることを繰り返した。見た目にはあまり動きはないが、心の内はそうではなかった。自宅で祖父母と住む生徒たちも、施設で暮らす高齢者との交流は初めてで、最初は戸惑うことばかりだった。何を話していいかわからず、話しかけても反応がない、毎回同じ話の繰り返し。「授業がつらく行きたくない」と思う生徒もいた。生徒に出来たことは、隣に座って笑顔で高齢者の食事を見守ることだけだった。辛抱強く寄り添う生徒たち。そんな姿にお年寄りが気づかって話しかけ、食事の席を取ってくれた。生徒たちも職員のアドバイスを受け、趣味や学校生活など話題を10個ほど準備して会話を続ける努力をした。その甲斐もあって生徒を見る表情が和らぎ、「私のかわいい孫や」と訪問を楽しみにしてくれるようになった。ただ、回を重ねても関わりの難しさを感じる場面も多かった。毎回、「僕のこと覚えていますか」と聞いても「知らん」と返される。「長生きしていてもいいことないし」と言われ、返答に窮する。食事がうまく取れない様子にどうしていいか困った。また、夏休み明けに訪れると、ペアのお年寄りが亡くなっておりショックを受けた。しかし、そうしたことに間近に接することで、生徒は「老いと死について考えさせられた」と一様に述べる。老いてこれまでと同じように日常生活を送れないことに、仕方のないことなんだと思えるようになった。「よー来たなあ。もうここからどこも行ったらあかんで」と言う高齢者の姿に、自分を大切にしてくれていることを感じ、「私の方が元気をもらった」と変わってきた。安寿苑職員の山根比佐子さんは「若い人の風が入り利用者にも刺激になった。施設の現状、お年寄りのこと、介護のことを知ってもらういい機会でした」と実習を歓迎した。
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