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抑留者と対面 友好発展願う ウズベクの資料館長、来鶴【舞鶴】

抑留者と対面 友好発展願う ウズベクの資料館長、来鶴【舞鶴】

投稿日時:2016年02月05日(金)

引揚記念館で地図を見ながらウズベキスタンについて語り合うスタルノフさん(右)と新家さん

 ウズベキスタンで「日本人抑留者資料館」を開設したジャリル・スタルノフ館長(71)が1月24日、平の舞鶴引揚記念館を訪れた。市内の中高生らに資料館を紹介し、抑留中に首都タシケントにあるナヴォイ劇場の建設に携わった新家苞(にいのみしげる)さん(91)=大阪府高槻市=と対面した。スタルノフさんは、タシケントの日本人抑留者墓地の近くに、私財を投じて資料館を1998年に開設。昨年、同国を訪問した安倍晋三首相と面会し、外務省を通じて日本に招待され、引揚記念館の見学を希望した。ウズベキスタンには約2万5000人の日本人が抑留され、施設や住宅の建設などに従事した。ナヴォイ劇場は、66年に起こった大地震で倒壊しなかったため、日本人の仕事ぶりが評価され、親日の証となっている。旧ソ連各地で4年間抑留され、49年にナホトカから高砂丸で舞鶴に引き揚げた新家さんは、同劇場の建設に携わった縁でスタルノフさんの来鶴に合わせ訪問し、初対面では涙ながらに握手を交わした。スタルノフさんは、若浦中、日星高の生徒や市民ら約120人を前に、「私の国に今も残る建物は、日本の象徴として市民に息づいており、厳しい状況でも日本人は人間らしさを失うことなく、自分の仕事に向かっていたのが分かる」と語った。新家さんは「当時の人たちは日本人に対して優しく接してくれていた。自分たちの記録を残してくれて感謝します」と、ともに両国の友好発展を願った。2人は山下美晴館長の案内で館内を見学し、舞鶴茶でもてなしを受けた。スタルノフさんは「今までは悲しい時代という印象だったが、展示を見て、日本に帰ってきた人たちの喜びが強く心に残った。今後は資料館でも、帰国をテーマに新しい光を見た日本人を紹介したい」と話していた。

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