成熟社会へ第一歩
舞鶴海保「ライフワークバランス」
男性職員が1カ月半の育休取得
投稿日時:2022年01月25日(火)
超少子高齢化社会への移行が急速に進む我が国において、国は成長戦略の大きな柱として、「女性の活躍」を挙げている。
その中で、今後さらに重要性が増してくる「育児休業」。女性による取得はもちろん、男性の取得をいかに促進できるかが、「真の成熟社会」への大きなステップとなっている。
2021年9月に改正育児・介護休業法が閣議決定され、2022年4月1日から、いよいよ「男性育休」が段階的に施行される。共働きが当たり前になっている現代社会で、男性の育児参加への環境整備がますます重要性を増している。
厚生労働省が2021年3月に発表した令和2年度雇用均等基本調査によると、2018年10月1日から2019年9月30日までの1年間に、在職中に出産した女性がいた事業所に占める、女性の育児休業者がいた事業所の割合は87.5%で、配偶者が出産した男性では15.8%と非常に低い水準であることが示された。
「とても子どもを産み、育てられる環境ではない」との声が若い世代から噴出する中、政府は2025年までに男性育休取得率を30%まで上昇させることを目標としている。
そんな中、当地にも拠点を有する海上保安庁は、「ライフワークバランス」の向上に力を入れている。海保では、家庭を優先させるとの想いを込め、「ワークライフバランス」ではなく「ライフワークバランス」と称しているのだという。職員本人が出産する場合はもちろん、配偶者が出産を控えている職員にも、産休制度(配偶者出産休暇2日、育児参加のための休暇5日)があり、その後も育児休業(子が3歳になる日まで取得可能)や、フレックスタイム勤務、育児短時間勤務など様々な制度を利用することができる。当地でも、制度を利用した職員がこのほど、生き生きと職場に復帰した。
【男性も育児参加を】およそ1カ月半の育児休業を終えて職場に戻ったのは、舞鶴海上保安部に勤務する仲野滉希さん(24)。 巡視船「わかさ」で、主に調理業務を担当する仲野さんは、昨年3月に結婚し9月に男児を授かった。鳥取県出身の仲野さんは、入庁5年目。職場ではなくてはならない存在ではあるが、妻の出産に際して「何とか育児参加をしっかりとしたい」と考えるようになり、上司や同僚に相談。
「快く育児休業に送り出してもらえた」と振り返る仲野さんは、「上司の素早い手続きにより、自分の抜ける穴をカバーしてもらったため、安心して育児に専念することができた」と笑顔を見せた。
休業中は妻と分担して、家事育児全般に取り組んだという仲野さんは「同僚などでも(育児休業を)取りたいと言っている人がいる。しっかりと良かった点を伝え自分もフォローに加われるようにしたい」と力を込めた。
今後も職員が積極的な育児参加に取り組めるよう、育児にかかる休暇や休業の取得を促進していくとしている同保安部。大きな社会の変化は、常に小さな一歩から始まる。誰もが暮らしやすい社会に向けて、取り組みが加速することを期待したい。
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